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2026年09月03日
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カテゴリ:アニメ(か行)



8話

貸本屋さんは手島先生に

一冊のノートをプレゼントした。

これは貸本屋さんの思い出であり

手島先生の思い出である。

漫画家を諦めて大島へ戻ってきた頃の。


貸本屋さんは手島先生に漫画を描いてほしいから

アイデアを書き溜めるためのノートを

渡したのだ。

しかしその思いは届かなかった。

手島先生は漫画をやめて

教員になる道を選んだのだから。


だが…貸本屋さんは諦めたわけではなかった。

いつか…いつかまた描いてくれたらそれでいい。

今は寄り道の時であり

漫画を描くにはそういう時間も必要なのだから。

貸本屋さんは寄り道には一家言あるのだ。

貸した本は時間を掛けて返ってくる。

借りた人に影響を与えて。


って…

そのノートあげちゃうンかぁ〜い!( ゚д゚ )


天井に張り付いて様子を伺っていた私は

そう驚愕した一方で

ちらりと貸本屋さんの方に視線を移すと

お…怒っていない…だとぅ!?( ゚д゚ )


貸本屋さんはそんな手島先生の行動を

温かく見守っているのだった。

まるで先生の変化を楽しむように。


手島先生は漫研部の生徒たちに知ってほしかった。

何気ない日常が…目に映る全てが…

漫画のネタになることを。

漫画描きにとっては全てが尊いということを。


手島先生が生徒たちに伝えたかったことは

貸本屋さんが手島先生に伝えたかったことなのだ。


安海さんは堤防から手を差し出した。

手島先生もこちらへどうぞと。


もう一度漫画描きの世界へ。

安海さんにあげたノートには

手島先生が書けなかった漫画に描きたい100のことが

100以上書かれていた。


それは先生の胸の中の枯れたマグマに

火を灯しただろうか?

何かが脈打ったことに先生は気づいたのかもしれない…


そんな様子に貸本屋さんは手島先生に

一冊のノートをプレゼントするのだった。

あの時と同じノートを。

あの時と変わらぬおもいで。


誕生日ではないという手島先生に

誕生日だからと。

貸本を渡すようにノートをあげた貸本屋さん。

貸本には一家言あるのである。





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ー追伸ー

大島の三原山は

御神火様として島民に崇められてきた火山である。

貸本屋さんはそんな三原山と

手島先生の胸に眠るマグマを重ねて

今日も飲むのだ。

お寿司屋さんの酒︰御神火様を。


※本ページにはプロモーションが含まれています。

==ここまで読んだ==
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Last updated  2026年09月03日 07時00分06秒
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