カテゴリ:経済 金融
振り返れば社会に入って以降、ITバブル、サブプライム、リーマン・・・景気が下がる局面があり、その度に資本論本はその度に手に取りたくなる。そんな魅力をもつワードだ。
しかしこの本は読みやすく書かれているが、とても切れ味鋭い。本を持つ手が切れてしまいそうだ。 脱成長コミュニズム。これまでモヤモヤと資本主義に対する疑心暗鬼が言語化されている。 僕たちは欲しいものを買っている、ように思えるがそれはいつ頃から欲しいものであったのだろう。僕の身の回りを見てみる。洋服は衝動買い、突然ほしくなったものが多い。クローゼットには同じ色、デザイン性の服ばかりで妻もあきれている。この服の材料はどこから、どのように僕の手元に届いたのだろう。資源国からグローバルアパレルが安く仕入れ、賃金の安い(相対的に)国で大量に作り、素敵なプレゼンを僕が受けて購入する。 資本主義に身を置くものとして、シンプルなモノたちだけに囲まれて過ごしている人を見ると、なんだか素敵に見え、モノに囲まれ豊かなに生活人を見るとやや古いイデオロギーの臭いを僕は感じている。 なかなか素晴らしいマーケティングに僕は勝てず、また何かを欲しくなるだろう。何が欲しいのかは大企業だったりインスタ等のSNSだったり、”誰か”が決めてくれるだろう。 資本論に挑んだ学生時代、第8章だったか「労働日」など理解できずにいた。そんな僕にこの本は優しく説いてくれる。 僕は不動産エージェントなので、例えば中古物件を丁寧につかえるよう再利用可能な改修を加え新たなオーナーの手にわたる。その流れがとても心地よい。 資本主義を手放しコモン主義に移行することは難しいのかもしれない。だけど、人新世の資本論にあるものを少し拝借し実行すれば、必要なだけ生産し、時間を穏やかに家族と過ごし、、幸せになれそうだ。それにはまず、囲まれたモノがない状態、モノを追加しないことをイメージし、では何をするか、を自分の内にイメージできなければ同じことの繰り返しだろう。 本の価格安さと内容の重さのギャップは僕の本棚書籍中ベスト3に入る お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.11.10 19:01:14
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