バリ島 絵になる農民
朝靄がかかっている。昇り始めた朝日がもやに反射して、レースのカーテンをかけたような早朝の景色が、徐々にくっきりし始める。バリの濃い緑が戻ってくる。宇宙からのエネルギーが活動し始めた。 ライステラスに目をやると、何かが動いている。すでに働く人影が・・・・薄暗闇から明るくなるにつれて、農民のシルエットが浮かび上がる。広い大地に米粒のように小さな男が、土と一体化している。 こんな明け始めた時間から作業を始める農民。生まれた太陽と共に働き、夕日と共に仕事を終える。幾星霜も同じ生活パターンを繰り返し、自然に逆らわない生活。 この生活時間の使い方が、体内のリズムを正規に保つのに必要であるばかりか、自然と一体になって、生かされている実感があるのだろう。このスタイルが彼らの元気の秘訣。天からの恵みを享受して、黙々と働く彼らの生き様。 ライステラスの遥か彼方に動く農民の姿。切り取ったら間違いなく絵になる光景だ。