ハートリンクスのブログ

2020/08/30(日)07:00

【口グセをコントロールしよう】

生き方(542)

【口グセをコントロールしよう】  脳科学者・茂木健一郎氏の言葉から。 《私の知り合いに、「面倒くさい」が口癖だという人がいました。  外でも家でもついうっかり「面倒くさい」と言ってしまう。  家族からもそのことを指摘され、ついに自宅で「面倒くさい」は禁句になった  そうです。  そうしたところ、いかにそれまで「面倒くさい」という言葉を繰り返していた  か、実際にはそれほどでもないのにすぐに「面倒くさいな」と感じていたかに  気づいたそうです。  意識してその言葉を封印してしばらく経ってからのこと、「そういえば、最近、  面倒くさいと思わなくなったな」とふと気づいたそうです。    いつも何か新しいことを始める時には億劫に感じ、ダラダラとそれを先延ばし  にしようとしていたのに、そんな癖もなくなり、いろんなことに前向きに取り  組めるようになったとその人は言います。  この話を聴いて、面白いと思いました。これは全く正しい方法だからです。  行動主義の観点からすれば、人は何かを思って行動するのではなく、何か行動  するからそのように考えるのです。  分かりやすい例としては、悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいという  ことです。  泣くという行為をしている自分を観察することで、悲しいという感情が生まれ  る。それが行動主義の考え方です。  その人はこれまでも、面倒くさいから「面倒くさい」と言っていたのではなく、  先に「面倒くさいな」と言ってしまうから、余計に面倒くさくかんじてしまい、  行動するのに二の足を踏んでいたということになります。  英語圏の場合、誰か知り合いに会った時には「How are you doing ?」と聞き  ますね。  そうすると、よほどのことがない限り、「I’m fine.」と答えます。  これはもう人と人とが出会った時に必ず繰り返される定型句のようなものであ  り、実際にはちょっと不調だとか、寝不足気味だというようなことがあっても、  「元気だよ」と答えていることになります。  フランス語でもドイツ語でも、それと似たような挨拶の会話があります。  この定型句のいいところは、言っている本人はあまり意識していないでしょう  が、「調子、いいよ」と答えている会話を聞いている脳は、「ああ、私は調子が  いい状態にあるんだ」と認識しているということです。  軽い自己暗示にかかっているようなものです。  一般的に、「調子どう?」「お元気ですか?」と聞かれた時に、「悪い」とは言わ  ない方がいいのはそのためです。  もちろん風邪をひいてよほど調子が悪いという時にまで、無理して「元気だ」  と言う必要はありませんが、ほどほどの体調なら、「寝不足で」「仕事がたて込  んでいて」「最近、調子が悪いんです」などとは言わないほうがいいのです。》  (出典元:茂木健一郎著 「幸福になる脳の使い方」 PHP新書)      *     *     *  著者が、自分の口から発する言葉が、脳や感情や思考に与える影響は大きいと  語っているように、言葉は大事に使いたいものです。  ここでは、「面倒くさい」という言葉を使う習慣をやめたら、「面倒くさい」と  思わなくなった。  つまり、言葉の発し方、あるいは口ぐせがいかに大事なことであるかを証明し  ています。  口グセとは、ひとつの習慣です。  アリストテレスというギリシャの哲学者が次のような言葉を残しました。    人は習慣によってつくられる。    すぐれた結果は、一時的な行動ではなく、    習慣から生まれる  さらに、もっと昔の話ですが仏教が生まれる前、インドではヒンズー教という  民俗宗教がありました。  その中に次のような教えがあります。  たぶん一度はどこかで聞いたことがあると思います。    心が変われば、態度が変わる。    態度が変われば、行動が変わる。    行動が変われば、習慣が変わる。    習慣が変われば、人格が変わる。    人格が変われば、運命が変わる。    運命が変われば、人生が変わる。  これとほぼ同じ内容の言葉は、元メジャーリーガーの松井秀喜さんが好きな  言葉でもあるそうです。  この教えを聞くと、「そうだな。その通りなのかもしれない」と思います。  しかし、人は自分の心を変えるのがいちばん難しいことでもあるのです。  ただ、この変えるべきものでもっとも、できそうな感じがするのが「習慣」  です。  その「習慣」でもいちばん身近にあるのが「口グセ」です。  まず、口グセから変えていくことは誰でもできそうです。  小さな口グセから、少しずつ変えていくことで、人生も少しずつ楽しい  ものになっていくことを信じてみましょう。                      (by ハートリンクス)  

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