2024/02/07(水)07:00
【心にある二重の層】
【心にある二重の層】
人の心には片方では何かをしなければならないと思う心があり、もう一つは、
しなければならないが、本当はしたくないという心があります。
そのときに、どちらの心が勝つかによって、行動が決まります。
たとえば、職場で何かのスピーチをするように上司から言われた、とします。
しかし、人前でしゃべるのはイヤだから話したくない。
それでも、ついにそのときが来てしまったとしましょう。
どちらかに決めなければならないときは、勇気がいります。
イタリアで有名なオペラ歌手に、エリンコ・カルーソーという人がいました。
テノール歌手としてとても人気がありました。
100年ほど前に没していますが、今でもファンが多いという実力者です。
そのカルーソーがある日、舞台に出るのが突然怖くなったことがありました。
しかも、あと数分で舞台に出るというときでした。
怖くなり、のどはけいれんし、汗水が流れてきたそうです。
そのときに彼がとった行動は次のようなものでした。
「私の中で、小さな私が大きな私を絞め殺そうとしている。
小さい私よ、ここから出て行け、大きい私が今歌おうとしているんだ」
と、叫んだのです。
それからすぐ、彼は何事もなかったかのようにステージに歩いていき、いつも
のように歌ったという話です。
怖いという意識は顕在意識で感じていますが、その奥にはやればできるという
隠れた意識、つまり潜在意識がありその力が大きいのです。
この関係を、哲学者ジョセフ・マーフィーは、こう述べました。
『意識する心(顕在意識)は、客船で言えば航海長か船長である。
彼は船を指揮し、機関室の船員たちに命令する。
そして、命令した通りに従うのが船員であり、潜在意識である』。
このように人の心には二つの層があります。
それぞれの心の役割をうまく使いこなせば、人生上の問題の多くは解決できる
ということです。
しかも潜在意識は、顕在意識で思った通りに実現させようと働くのです。
ですから、
「良いことを思えば、良いことが起き、悪いことを思えば悪いことが起きる」
というのは、一面では法則でもあるのです。
思想家の中村天風も「人生は、心ひとつの置きどころ」と述べています。
幸せになりたい、成功したいなら、そのために必要な心の持ち方をすればよい
ということになります。
(by ハートリンクス)