思えば遠くへ来た私

さっき娘をお風呂に入れていたときの話。

風呂桶にしゃがんでいた娘が

急に自分の股間を指差して

「ティンティン」

などと言う。

「・・・？」

あ、チンチンの事か。

女の子なので

もちろんチンチンなど付いてない。

「女の子なんだからチンチンないでしょ」

と言ったのだが

まだ1歳半の娘には良くわからないらしく

「ティンティン、ティンティン」

と繰り返す。

「チンチンは付いてないでしょ。それは・・・」

はて？

女の子の股間の事は

一体なんて言うのかしら？

考えてもいい言葉が浮かばなかったので

「それは股間」

「・・・コカ？」

「そう股間」

なんて言ったけど

本当はなんて言ったらいいのかな？

そんな娘のお風呂が終わったので

次は息子の番。

娘にパジャマを着せながら

息子に風呂場へ行くように言いつけると

「うんちしたい」

とまるで待っていたように言う。

「ならしなさい！！」

最近息子はやっと

自分のお尻を拭けるようになったので

もう私は用無しなのだ。

別に私に言う必要等ないのにさ。

息子のうんちが終わった頃

ようやくお風呂場に行くと

息子が裸で踊っていた。

「踊ってないで、早く湯船に入りなさい」

そして裸の息子を洗い始めたが

おしゃべり息子のでたらめな話は続く。

まずは夏季学校の友達の話。

「ユーゴはゲップをする振りをするんだ」

はいはい。

「セザールは亀忍者の遊びが好きなんだ」

はいはい。

そうと思えば

いきなり習って来たばかりの歌を歌いだす。

「ずんばらずんばらずんばっば♪」

アンタ、毎日楽しくていいねえ・・・。

そして私が息子のお尻を洗っているとき

急に息子が私に訊いてきた。

「僕はお尻からうんちをするよね」

「お尻の穴からでしょ」

「お尻の穴からうんちをするよね」

「そうね」

「チンチンからおしっこをするよね」

「そうね」

「でも女の子はお尻の穴からうんちとおしっこをするよね」

「・・・違うでしょ。

　女の子にはチンチンはないけど

　違う物があってそこからおしっこをするのよ」

「そうなの？」

・・・ああ

これまで生きて来て

こんな話は誰ともした事がなかったけど

人の親になると

こういう事っていっぱいあるんだなあ。

うんちとかチンチンとかおしっことか

毎日言い続けてる気がするなあ。

それにしても

今日どうしても知りたくなったんだけど

女の子の股間って

一体なんて子供に言ったらいいのかしら？

誰か教えて下さいな。



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