母からの電話
昨日、日本の母から電話があった。先週私が出した手紙が届いたという電話だった。手紙に、来年の4月頃日本に帰りたいと書いたのだが来週にでも帰って来ていいとの事でとても嬉しかった。一番怖い父は別に何も言ってないようなのでもう怒ってはなさそうだ。私がフランスで結婚してフランスに残ると言った時父は烈火の如く怒ってもう帰ってくるなと勘当を言い渡された。その時には私ももう日本になんて帰るものかと思ったのだがやっぱり息子が産まれてみると一目母に見せてやりたいと思うようになり今から2年半前に息子を連れて旦那も一緒に一度日本に帰ったのだがその時の父は初め私と顔を合わそうとせず旦那のたどたどしい「こんにちは」にも「ああ」と言っただけだったのでフランスを発つ前から会ったとたんに刀で斬りつけられるんじゃないかとおびえていた旦那はまだいきなり刀を出してくるってことは無いよねと私に言って来たりした。父は刀なんて持ってないからそれは無いと言ったのだがうちの実家にいる間中おびえていたようだった。その時は旦那の休みが2週間しか取れなかったため実家には一週間くらいしかいられなかったがさすがに父も一週間後には孫である息子の頭をなでたりしてくれたので私としても嬉しかった。その後の一週間で旦那が行きたいと言う姫路城と鎌倉と京都をまわった。どこかの神社で引いたおみくじで凶が出て無事に帰って来れるかとても不安だったのだが案のじょう帰国する日に空港に行ったら私たちの乗るはずだった飛行機はもう出た後だった。旅行に出る数日前に時間変更になっていたのに旅行会社が連絡して来なかったためこんな事になったのだ。無事次の日にはフランスに帰って来れたが旦那は翌日すぐに仕事で目をまっ赤にして頑張っていた。帰ってから旦那は日本で取った大量の写真を連日眺め続けていた。ヨーローッパから出た事が無かったらしく見る物みんな珍しかったようで色んな所を写真に撮りまくっていたが隣の家の庭まで撮るのはさすがにやめて欲しかった。まあ、昔私がイタリアで洗濯物の写真を撮ったような感覚なのだろうと思うと気持ちはわからなくもない。帰って来た旦那に母からの電話を伝えると又日本に行けると嬉しそうだったがやっぱり一抹の不安はあるようでお父さんは大丈夫?なんて訊いてくる。父ももう大分年を取ったし年々丸くなって来ているのかなとも思うが根がとても頑固なのであまり期待しない方がいいのかもしれない。まだ半年以上も先の話だが旦那はとても楽しみにしているようで次は何処へ行こうかと昔買った日本のガイドブックを引っ張りだして見ている。でも実は私の方が旦那よりきっと多分50倍くらい楽しみにしているのは奴には言わなくてもわかっているようだ。