【書籍感想】ひかりの魔女
書籍の感想です。今回は「ひかりの魔女」です。ひかりの魔女 [ 山本甲士 ]魔女と言っても、悪い魔女ではなく、ひかりの魔女です。良い魔法使いが皆を幸せにするお話です。光一のおばあちゃんは85歳。見た目は普通のおばあちゃんでいつもニコニコしています。しかし、光一が付き添って会いに行った人は全員おばあちゃんを慕う人ばかり。それも生半可ではありません。おばあちゃんが喜ぶことをすることを無上の喜びと感じているのです。それはおばあちゃんの噓が多分に含まれています。噓と言っても、相手を困らせるためでも、自分のためでもありません。それは相手のやる気を引き出すためだったり、こちらの好意を受け取ってもらうためなのです。おばあちゃんは書道教室で先生をやっていました。そこには訳ありの子も来ていました。そんな子に可哀想という理由でご飯を食べさせるのはそれを重荷に感じる子もいるかもしれません。だからおばあちゃんは自分が〜で困っている、だから手伝ってくれると嬉しいとお願いします。そして手伝ってくれたら、最上級の感謝をした上でお礼と言ってご飯を食べさせるのです。文中に出てくる「順番を変えるだけ」という手法はとても素敵だなと思いました。子どもも段々ともしかして本当は困ってなかったんじゃないか、自分のために困った風にしてくれただけなんじゃないかと気付くのです。気付くことでますますおばあちゃんのことを尊敬するようになるのです。そんなおばあちゃん、光一の家に来てから、光一の家の問題をさりげない行動で次々と解決していきます。お父さんのリストラ問題、お母さんのパート先、妹の素行不良、そして光一の大学受験、と一見おばあちゃんにはとても解決できそうもないことも、色々な人も協力をさりげなく受けながら、家族を幸せに導いていくのです。家に居場所がないと感じていた妹に居場所を提供します。しかし、おばあちゃんは居場所を押し付けたわけではありません。妹が好きな事を覚えていて、そこにそっと後押しするのです。とっても素敵なおばあちゃんですね。まさに「ひかりの魔女」でした。