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カテゴリ:本の感想
書籍の感想です。
今回は「約束の果て 黒と紫の国」です。 ![]() 約束の果て 黒と紫の国 [ 高丘 哲次 ] 歴史書には真書と偽書があります。 要はホントの歴史が書かれたものと 誇張や全くの嘘が書かれたものです。 偽書には政治的な意味合いで書かれる ものも多いようで、例えばある国を 打倒して国を興したとしたら自らの 正当性を主張するためにいかに前王朝が 悪辣だったかを書き散らすとか。 後は自分たちが古き歴史ある血筋で あることを示すための伝承なども捏造 されたようです。 まあそういう偽書もあれば市井で読まれる 読み物というものもあります。 三国志演義や封神演義を偽書というのは やや憚りがありますが、正確な歴史を 伝えてはいないと思われます。 どちらも読み物としては抜群に面白いのですが。 さてこの小説は青銅の矢じりという物理的な ものに書かれた国が偽書、好意的な言い方を したとしても奇書の類いの本にしか出てこない というところから始まります。 歴史学者は苦悩します。奇書など歴史学者が 議論することすら能わず。 しかし現に矢じりは存在する・・・ 彼は腹をくくり、その本を読むことにします。 というわけでその本の中の話がメインで 進んでいきます。 神代のころの歴史のようなお話なので 確かに歴史学者には俄に信じがたいでしょうが なかなかに面白いお話でした。 そしてその本の内容を信じた3人の男が起こした ささやかな奇跡。 本の中ではドラマチックなことが起きている のですが、彼らがやったこと、そして起きたことは ほんの些細なこと。 でも彼らの人生を豊かにしたという意味では非常に 有意義なことだったのでしょう。 なかなか面白かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.02.02 23:59:22
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