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カテゴリ:本の感想
書籍の感想です。
今回は「吼えろ道真 大宰府の詩」です。 ![]() 吼えろ道真 大宰府の詩 (集英社文庫(日本) 泣くな道真 大宰府の詩) [ 澤田 瞳子 ] 泣くな道真の続編となります。 大宰府に左遷の憂き目にあった道真に「泣くな」という タイトルは想像がつくわけですが、今回の「吼えろ」と いうのは果たして何に吼えるのか。と思ったのですが、 そこまで朝廷に噛み付いたり、大宰府に吠え立てたり しているわけではありません。 むしろ、「人はどう生きるべきか」みたいなお話かな と思いました。 例えば大宰府ナンバー2の小野葛根という人がいるの ですが彼はお世話になったナンバー1の叔父のために イロイロ尽力しようとします。 それが大宰府のためでもあると思ったからです。 しかし厳密にはその両者は違う。 そしてそれを見透かされた対応をされ、初めて自分が 間違っているのではないかと感じ始めるのでした。 道真は道真で自身の不幸を嘆くような詩を書き散らし ながら、実際には、したたかに大宰府に根を下ろして 生きていくのです。 与えられた場所で精一杯生きていくしかありません。 その中でいかに楽しみを見つけるか、この本はそんな 道真を描いている気がします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.06.25 08:38:34
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