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Flatのガンプラ製作日記

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2023.07.06
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カテゴリ:本の感想
書籍の感想です。
今回は「本を守ろうとする猫の話」です。


本を守ろうとする猫の話 [ 夏川 草介 ]

きっかけは猫なんですが、守ろうとするのはほぼ
夏木林太郎のおかげです。
祖父の死によって古書店を引き継いだ林太郎のもとに
しゃべる不思議な猫が現れる。
猫は本を救ってほしいと言い、ある男のもとへ林太郎を
連れて行く。
男は一ヶ月に100冊読むことをノルマとしていて、ある意味
読み散らすという言い方が正しいでしょうか。
本好きであるかのようですが、たくさん読むことが目的に
なっていて、自分の権威付けのために本を利用するように
なってしまっていたのです。
林太郎はそんな彼に「本を愛するとはどういうことか」
という持論を熱く語ります。
林太郎はただの半引きこもりで、勉強も普通、スポーツも
普通、友だちもちらほらという平凡な高校生に過ぎません。
ただ、他の人に負けないくらい本が好きで、読んだ本を
大切にしています。
彼はそんな思いを吐露しただけなのですが、たくさん読む
ことを信条としていた男の心を強く揺さぶったのでした。

こうして男に縛られてしまっていた本を解放することに
成功した林太郎は第2、第3の迷宮でも本を解放するのです。

それは本が好きな人にしかできないことだったと思います。

すべての迷宮は現代の人々の抱える問題とも言えます。
たくさん読む人がもてはやされる、時間がないから要約本
が売れる、良い本ではなく売れる本を売る・・・
私も本好きの端くれ。どの理論も納得いかないわけですが
さりとてどう説得すれば良いか難しい。
彼らの理論にはある一面真実を含んでいるからです。
ですが、林太郎は「本が好き」という感覚をとても大切に
することで、彼らの心を呼び覚ますことができたのでした。

最終話で本の化身たる存在が自身の扱いに倦み疲れ、
林太郎からヒントを得るために登場します。
2000年近く前から存在している本って聖書のことです
かね?
そんな叫びにも林太郎は己の魂から言葉を紡ぎ出すの
でした。
本の力、良い言葉ですね。
私も本には力があると思います。
電子書籍より紙の本が好きです。
同じ本を何度も読み返すようなことはしてないですが。

はてさて、林太郎は本を救ったわけですが、それだけ
ではなかったようです。
保護者だった祖父が亡くなり、無気力になっていた林太郎
がこの冒険を通して、改めて本が好きであり、それで
十分なのだと気付くことができたのです。

とても良い本でした。





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Last updated  2023.07.06 13:04:48
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