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カテゴリ:本の感想
書籍の感想です。
今回は「博物館のファントム 箕作博士のミステリ標本室」です。 ![]() 博物館のファントム 箕作博士の事件簿 (集英社文庫(日本)) [ 伊与原 新 ] 私が読んだのは古い装丁のもので、サブタイトルも アフィのものとは若干異なります。 国立自然史博物館に職を得た環は本職はエンジニアです。 DNA解析などが専門で動物にも植物にも昆虫にも そこまで深い思い入れがあるわけではありません。 そんな環ですが、ファントムと呼ばれる旧館に 寝泊まりする箕作博士とちょっとした事件に遭遇し、 問題を解き明かしていきます。 ファントムは博物学者を自称するほど、動物、 植物問わず、愛好し、旧館はゴミかもしれないもので 溢れています。 ロジカルで整頓好きな環は旧館を掃除しようと しますが、「博物館にあるもので不要なものはない。 草一本に至るまで捨ててはならない」と言われて しまいます。 散乱する状況の言い訳かと思っていたのですが、 1話では一見ゴミであるかのようなものが実は重要な ヒントになっていることが明らかになるのです。 そして箕作は言います。 「分かるか。ここではどんなものも絶対に捨ててはならない」 なかなか面白いですねー 2話以降も箕作の知識がフルに発揮されるわけですが 謎や事件が標本に関わる話なのは良いですね。 食堂やカフェの店長が謎解きする話はありますが お店とは関係ない謎の場合もあり、その知識、 どこから仕入れたの?というものもありますが、 この話は謎自体は些細なものが多いですが、その分 標本にしっかり根付いていて、箕作博士だからこそ 解ける謎という感じです。 個人的には「ベラドンナの沈黙」というお話が 好きです。 学名がバンバン出てきて、辟易するのですが、 その学名がある意趣返しの一つになっているという のは面白かったです。 「誰も傷つかない仕返し」 良いカモ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2025.02.28 09:12:13
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