【書籍感想】異玉の騎士 四界物語2
書籍の感想です。今回は「異玉の騎士 四界物語2」です。【中古】 異玉の騎士 / 黒川 裕子, 黒葉.K / 中央公論新社 [単行本]【メール便送料無料】【最短翌日配達対応】不思議な四界に分かたれた世界の物語の2巻です。ちなみに四界とは第一界 神々の住まう世界第二界 いわゆる地上。第三界 いわゆる海。第四界 海の下にある世界もともとは第四界にみんな住んでいたようですが、はるか過去に第二界に移り住んだ者がいる。それがアリシャーラン。残った者がサクォーリアンで第三界で隔てられているので、問題ないはずなのですが、人間の欲には限りがないのか、争いが起き、多くのサクォーリアンが第二界へ連れてこられます。明確には書いてないけど、奴隷として、なのかな。その時、竜の女王は一度死に、制御を失った他の竜たちはトゲウオとなってしまいました。女王は継承の儀式により、知識も受け継ぐことができます。それがファティオータで、本来の力を取り戻した竜は無類の力を発揮しますが、アリシャーランの皇子も竜の騎士のシルッカも別の意味で戦いに疑問を感じ始めます。シルッカは竜を戦いの道具としか考えないことがとても正解とは思えないし、リンゼイ皇子はアリシャーランだから排除する、サクォーリアンだから排除する、といった極端な考えは世界を滅ぼすと思い、最善を思い悩みます。過去、トゲウオを有無を言わさず殺していた自分を反省するかのようであり、自分を殺そうとすらしている皇帝をなんとかして止めたいと思っているのかもしれません。シルッカはファティオータと一緒にいると無闇に人を殺すことになることを恐れ、ファティオータから離れることを選びます。帝国の実情や他国の様子などを見たシルッカはファティオータと離れたことを後悔し、ずっと一緒にいることを決意します。しかしそれはアリシャーランを滅ぼすことと同義ではないです。友として一緒にいて、ダメなことはダメと良い、一緒に笑い、共に過ごそうという覚悟です。面白かったです。竜を仲間にしたということは最強の武器を手に入れたということでもあるのですが、覚悟がなければ人を殺すことはできないし、覚悟を決めるためには自分の心に嘘のない信念がないといけません。シルッカにはそれがなく、ファティオータに選ばれて流されるように戦いに向かっていた。なので皇子に「竜騎士のくせに竜に操られている」と言われてましたね。シルッカが自分なりの正義を見つけ、それをもとにファティオータに会いに行くというのはとても良かったです。さて、次が最終巻です。どうなるのかなー