風雲!たのみこむ城!!

2005/01/18(火)01:16

憧れのハワイ航路 其の七

”ぶ・ら・り途中下車の旅 ~ 御庭番・憧れのハワイ航路~ ”   12:30 1 JAN 2005 一番高い時期にハワイに来て、嵐の中出航する離れ業をやってのけた御庭番、亀見て愉しむ親子の純粋さに あ痛痛痛  と、叫びたい衝動を抑えて船に戻ったんですが、波飛沫がスゴイ勢いで顔を撃つんで目開けてられません。それこそホントに”あ痛痛痛痛”でございました(T▽T)。  船に戻ると既に昼。他の客は船で出されたカレーライスを食っていた。元旦早々カレーライスかと思い、食わずにデッキに立っていると、クルー達が慌てふためいている。見れば対岸の小高い丘の上からは真っ黒な雲がもうもうと煙のように流れています。船室に戻った頃にはもはや全ての人間が燃え尽きずに灰になっていた。そんな中、マイキーが眼を血走らせながら、 ”あー、麻生さん!?亀見た?亀!!じゃ、今度はジェットスキーやろうかっ!” 待ってました (゜▽゜;)  今回無理を押してまでツアーに参加したのは、長年機会を得られなかったジェットスキーに乗るため。これをやらずして何がマリンスポーツと言えるのか。御庭番、逸る気持ちを抑えてジョン・ヤマダさんから簡単な操作方法を習い順番を待つ。何のことはない、原付と同じじゃありませんか。 ”は~い、お父さん、お帰り!どう?楽しかった?”  普段冷たくされる娘を乗せて男らしさを眼一杯見せつけたと思っている日本人の父親、喜色満面の笑顔です。娘も満更では無い様子で、母親と一緒にきゃーきゃー騒いでおりました。 ”はい、じゃあ船にご飯用意してますからね~、あ、滑るから気をつけて。はい、じゃ次の方~。”  ついに来た―。御庭番はヘルメットを装着し、タイヤの無い原付みたいな水上バイクに跨ると、目の前にYAMAHAのロゴが。アメリカ製だっていい、日本製だっていい。拙者はこの瞬間を待っていたのだ!! 「Are You ok?・・・・Redy・・・」  クルーの中には珍しく、日本語が喋れないえなりかずきみたいな兄ちゃんがジェットスキーのスロットルを抑えて・・・ ”GOーーーーッ!!” ビィィィィンンンッ・・・!!  合図と共にエンジン全開!御庭番は嵐の海の中に飛び出す!!ジェットスキーは爆音を轟かせて猛スタートを切った!!!だが、次の瞬間!!!! どおぉぉぉんっ!! って・・・ すげぇ横波が (T▽T)!! (ぎゃーーーッ!!あ、あぶねぇッ!!)  怒涛の攻撃を受けた御庭番とジェットスキー。しかし命からがら抜群の運動神経でこれを避け、大きく旋回すると、波を乗り上げるようにしてジェットスキーをウィリーさせる!!そして次の瞬間・・・!! 御庭番は空を飛んだ(T▽T)。  そのままジェットスキーは海面に着水。御庭番は渾身の力を振り絞って両腕を踏ん張り、何とか転倒しなかったが、大事な所を強打し、しばし戦闘不能に。 ”荒れ狂う海面”だけに・・・ カイメンタイがエライことになってます (下品) (がっ・・うっ!ぐ・く~。。。)  ジェットスキーと言うよりはまるでロデオみたいです。原付で粋がっている珍走団なんか所詮小物ですな。悔しかったら嵐の海でハコ乗りしてみやがれ。 (しないで済むならしない方がいいぞマジで)  しかし、何周かしている内に操作や波の方向を読み取るのに慣れ、ジェットスキーの上で立ち上がったり、ハングオンまでやり始めたぞこのお調子者。 (6周したら戻ってきてね~♪) とマイキーに念押しされていたので、そろそろ戻ろうと船の方を見たんですが誰もいません。 (あの時拙者が波間に消えたらアイツラどうするつもりだったんだろう(--;)・・・)  仕方が無いので7周目、更に8周目に突入する御庭番。そろそろ疲れて来た。奔ると弾丸みたいな波飛沫が顔を撃つし、何より寒いです。やがてデッキにジョンさんとえなりくんが現れたのだが、横からバナナボートもやって来た。で、客を下ろそうとしているのだが、波が荒くて上手く下ろすことができずにモタモタ。御庭番が、大きな声で、 『Can I Back!?』 と呼びかけると、ジョンさんが ”NO~ッ!!” しかもえなりくんまでが大きく腕を回して合図している。どうやら暫く廻ってろと言う合図らしい。 あんたら拙者殺す気ですか (T▽T)  しかし、ボートの客が全員降りねば帰還することはできません。御庭番は再びスロットルを回し、嵐の海に飛び出す。10周―11周―。もういいだろうと思って船の方を見ると・・・。 まだだよ、まだ (T▽T)  えなりくんは更に”Go!Go!!”って叫んでやがります。御庭番は最早息も絶え絶えながら、 『なんじゃいそりゃあああぁぁっ!!??』 と、叫びながら再び荒波に挑んで行った―。 1:15 1 JAN 2005 波には勝ったが、寄る年波には勝てなかった御庭番、戻って来た頃には波飲んでお腹一杯です。寒さと疲労で震える脚でデッキに立ち、すぐに船室へ。 ”やーお帰り!楽しかった~?♪”  と言うマイキーを無視して、お昼のカレーを頂く。腹の中にあったかい物詰め込まないと命が危ない。食後のコーヒーも飲んで、さて、再び隣の船に戻ると、先程まで船内にはいなかったオッサンが。どこかで見たことのあるオッサンだと思っていたら、出発の時に”ボン・ボヤージ!”って作り笑いで送り出したオッサンじゃありませんか。オッサン険しい表情でマイクを持つと、開口一番こう言いました。 ”皆さん、残念ですが、この後、天候が更に悪化すると言う情報が入りました。よって今回のツアーは中止とさせて頂きます。誠に申し訳ございません。” ・・・( ̄▽ ̄;)え?。。。 中止でつか (T▽T)? (あの・・・まだウィンドサーフィンとかボートスキーとかあったんじゃあ・・・)  しかし、周囲の客の悟りを開いたような表情を見ると、それ以上無理を言うことはできなかった。御庭番が着替えて船室に戻ると、午前コースの客が携帯電話で主催者に抗議をしている。それを横目に先ほどこっぴどく怒られていたマイキーに近寄り、御庭番は慰めの言葉を掛けた。 『短い間でござったが楽しゅうござった。この天候は天命じゃ。貴殿らの所為ではありますまいに。』  すると、さっきまで死んだマンボウみたいな顔をしていたマイキーが屈託の無い笑顔で、 「いやぁ~こっぴどく怒られちゃったよ」 (なんかお前の日本語の流暢さがムカつく(--;))  この後、中止を説明したオッサンとも話をした。 『生憎の天気残念でござった。もうちっと早く中止にしていればこんな騒ぎにもならなかったであろうが・・・』  すると、  「ボスにも散々中止を進言したんですがねぇ・・・今日は新年だから中止にしちゃ縁起が悪いってね。。。」  と嘆息をついており申した。縁起が悪いからって死にそうな目に遭わされたことはこの際言わないことにしておきました。だってあんまり可哀相だったから。 2:00 1 JAN 2005  嵐の海から無事に帰還した御庭番、ホテルに戻ると、おとんとブラザーが待っていた。 「をー戻ったか。」おとんはどうやら昼寝していたらしい。 「よーあにき、ちょっと聞いてくれよ!」 『なんじゃい。』 「俺達午後のコースだったじゃん?昼にオヤジやおふくろと一緒にバスで港まで行った訳よ。そんでいざ船に乗ろうとしたら”今日は中止になりました”だってよ!なんだよそれって感じだよ、ホントにもぅ・・・」 『そりゃあ、残念だったの。因みに拙者はジェットスキーやったぞ。』 「マジ!?あー俺も朝からのコースにすれば良かった・・・」  羨ましそうなブラザーの姿に、本当のことを言うことはできなかった。 「おお、そうじゃ、百合之介。ほれ。」 『何でござるか?この金子は?』 「ツアーが中止になったじゃろ。だから全額返済になったんじゃ。聞いとらんかったか?」 マジっすか (゜▽゜;)? 「あーハワイくんだりまで来て海に一度も入らないなんてホント虚しいよな・・・」 「ボヤくな。これもまた人生じゃ。」  と落ち込む愚父とブラザー。御庭番は、シュノーケリング、ジェットスキーをやって亀見て昼飯までご馳走になったのにタダ。 ”一年の計は元旦にアリ” と言う。今年はきっといいことあるかも。 と、素直に思えないのは何故なんでしょうね (T▽T)?  こうして御庭番の2005年初の”馬鹿んす”は幻のまま終わりを告げたのだった―。

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