対人恐怖症の悩みの解決について
社交不安障害・対人恐怖症は症状としては百人百様です。赤面恐怖、吃音恐怖、書痙、茶痙、雑談恐怖、他者視線恐怖、視線表情恐怖、体臭恐怖、人前で緊張して話ができない、他人に不快感を与える、人間関係不良、人の思惑が気になるなどです。人によって症状が違うというのは、火山に例えるとよく分かります。地下深くマグマだまりがあります。そのマグマが地表近くに上がってきて、噴火できそうな弱い軟弱地盤を探しているようなものです。軟弱地盤が見つかるとそこから噴火して溶岩が流れ出す。私の場合は、極度に人の思惑を気にするというものです。他人から非難、否定、無視、からかわれることに耐えられないのです。弱点、欠点、ミス、失敗を人前に晒すことを絶えず恐れていました。その裏には、人から一目置かれるような人間になりたい。評価されるような人間になりたいという強い欲求がありました。その目標に向かって努力精進していれば、神経症で苦しむことはなかったと考えています。実際には目標に沿った努力はなにもしていなかったのです。赤面恐怖症の人の話を聞くと、性格的に負けず嫌いな面があるようです。ライバルには負けたくない。絶対に負け犬にはなりたくない。いつも成功しなければならない。決して失敗は許されない。営業成績でトップを獲りたい。ライバルにはなんとしても勝ちたい。しかしこれは「言うは易く行うは難し」です。簡単に目的を達成することは難しい。そんなとき、他人から赤面を指摘されると、つい本来の目的を忘れて赤面を治すことに注力するようになる。森田でいう手段の自己目的化が起きてしまう。気がつくと営業成績が落ち込み、ライバルとの差が開いている。目標を達成するためには努力精進することが欠かせません。症状で苦しむような人は、努力しないで人から称賛されたいなどと虫の良いことを考えてしまうのだと思われます。これでは絵に描いた餅になってしまいます。ではどうすれば目的が叶うのか。まず目標を明確にすることが大事になります。例えば、仕事に一生懸命に取り組み、会社で社長表彰されるような業績を上げたいという目標を明確にする。ライバルを押しのけてトップの成績を上げたいという目標を明確にして壁に貼り付ける。目標が持てたとしても、気分本位に振り回されてしまう場合もあります。イヤだ、面倒だ、辛い、意欲がわかないなどの気分に振り回されてつい楽な道を選んでしまう。集談会で「気分本位は犬も食わない代物だ」と聞きました。逃避すると一時的に楽になりますが、あとで暇を持て余し、自己嫌悪、自己否定で苦しむようになります。そのうち、消極的、逃避的、厭世的な行動が習慣化してきます。そして、自分は何のために生きているのだろうと考えるようになります。気分本位は主観的な感情ですが、これに対して客観的事実というものがあります。いくら気分本位の感情が沸き起こっても、一社会人として仕事や子育てや人間関係の面で最低限の使命や責任をきちんと果たしていく必要があります。最後に、障害物が目の前にあらわれると、なる気をなくしてしまうことがあります。子供の頃小さな成功体験が不足していると、成功のイメージが湧いてこないのです。遅まきながら、成功体験のイメージづくりをすることが大事になります。そのための一つの手段として、町内会や集談会などで世話活動に取り組むことです。ここで小さな成功体験を持てた人は、それが自信になり会社で応用できるようになります。道後温泉のからくり時計