森田理論学習のすすめ

2013/03/02(土)10:51

映画「レ・ミゼラブル」考

森田理論の適応者(16)

先日「レ・ミゼラブル」という映画を見てきました。 あらすじはジャヴェル刑事が、脱獄したジャン・ヴァルジャンを、法の守護者として執拗に追い詰めていくという物語です。ところが、ジャヴェル刑事は、自分の身の危険を顧みずにある青年を救おうとするジャン・ヴァルジャンの態度に心を打たれて、逮捕することができなくなる。ここに至って法の番人として今まで生きてきた自分の生き方がもろくも崩れてしまい、そんな自分を受け入れることができなくなり、自殺してしまいました。 これは、神経症で悩んできたものからすると大変違和感がありました。 ジャヴェル刑事は国家、社会、組織、正義など既存の制度、仕組み、既成概念等に忠誠を尽くすことに生きがいを感じている人間でした。我々神経症で悩んできたものは、自己中心的であり、会社や国のために自分を犠牲にするような生き方は理解できないのである。 ここでいう自己中心は注意が常に自分自身に向いているということである。 そういう意味では、アメリカの精神病分類の中に自己愛パーソナリティー障害というのがある。その中に過敏型というのがある。その考え方にぴったり当てはまるのが我々である。 特徴としては1、人の反応に敏感、2、内気で自己抑制的、3、人のことを気にする。4、注目されることを避ける。5、傷つきやすい。などが挙げられている。 つまり人の眼ばかり気にしているのが、この過敏型自己愛者である。 この過敏型自己愛を昇華するのにアメリカと日本では違いがあるという。 アメリカでは自己愛を満たすべく積極的に自己主張してゆく。日本では自己主張をできるだけ抑えて、相手がこちらの自己主張を満たしてくれるのをひたすら待つ。自己愛をみたすかどうかはすべて相手の出方次第という風潮がある。 私はこの部分は、アメリカ的になっていくことが森田理論に近づく道であると思う。

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