森田理論学習のすすめ

2014/09/01(月)06:33

他人の意見を聴くということ

人間関係、不即不離(409)

人に嫌われる人は、相手と相談するという気持ちを持ち合わせていない。 例えば夫婦でレストランに行って夕食をしていたとする。 ウエイトレスが「ワインなど如何でしょうか」と聞いてくる。 すると妻が、自分に相談しないで、すぐに「いりません」と返事をする。 すると夫はどういう気持ちになると思いますか。 少し腹立たしい気持ちになると思います。 「どうして、僕の気持ちを聞いてくれないのだろうか。 妻はいらないかもしれない。 でも僕は食前酒として飲んでみたいと思っていたのに」 仮にそう思っていたとすると気分がよいはずはありません。 「僕は注文するよ」と言えば険悪な雰囲気になることが予想されるので、普通は我慢します。 すると余計にストレスが溜まります。 こういうことが日常茶飯事で繰り返されることによって、夫婦の人間関係は次第に破たんしてくるのだと思います。 でも妻はそのことに全く気が付いていない。 相手は優柔不断で自分の意思など持っていないと判断しているのです。 小さいことだけれども、妻は夫のことなど眼中にないのだと思います。 極端に言えば、自分の気持ちは相手の気持ちだ。 相手は私の決定、指示・命令に従えばすべて丸くおさまるのだという気持ちなのでしょう。 私も苦い経験がある。家族で食事に行った時のことだ。 私はメニューを見て早速オムライスを注文した。 すると娘がお父さんはいつも自分勝手だというのだ。 私は自分が好きなものを食べて何が悪いのだと思っていた。 すると娘が言うには、家族のみんなで意見を出して相談したほうがいいというのだ。 ああでもない、こうでもないと話し合いをするのがいいのだというのだ。 またせめて子供たちの意見を聞いて、子供が決めた後に親が決めるようなゆとりを持つべきだというのだ。 また、そういうお父さんはなんでも自分勝手に決めてしまう。 車を買う時でも、マンションを買う時でも、私の勉強机を決めるとき、家族旅行の行先も、レジャーの行先もなんでも自分で決めてしまう。 自己中心で、家族を思いやる気持ちがない。 相談して家族の気持ちや意向を聞こうという態度がない。 本人はいいかもしれないが、家族には大きな不満がある。ストレスが溜まるというのだ。 私は娘の言葉ではっとした。長らく森田理論学習をしたのは何だったのだろうか。 森田理論では自分の意思、気持ち、希望をしっかり持つことはとても大切だ。これが基本だ。 ところがもう一つとても大切なことがある。 相手の意思、気持ち、希望を聞いて確かめるということだ。 最終的には自分の意向も反映させ、相手の意向も反映させて、双方にとって譲ったり譲られたりする関係を作り上げていくこと。 自分のやりたいことをそのまま実行するのではなく、この過程をきちんと踏んでいくこと。 人間関係づくりには欠かせないことだと思い知らされたのでした。

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