森田理論学習のすすめ

2015/08/21(金)06:55

気分変調性障害の例6

森田神経症のタイプ(31)

30代の男性社員Fさんは、最近移動してきた上司から、よく休むことについて注意されました。 気分変調性障害を持つFさんは、疲れがたまると有給休暇をとる、というパターンを作ってから職場適応がずっとよくなっていました。 以前の上司は調子の悪いFさんへの理解があったのですが、新しい上司は事情も分からず、ただ「休みすぎる」と感じたようです。 新しい上司は「今どき、誰でもうつ病だ。もっとしっかり健康管理しないとだめだ」と言い放ちました。 以前のFさんは、気分変調性障害という病気を認めていませんでした。 そのため仕事の能率が悪かったのです。 でも精神科にかかり、気分変調性障害は病気であると認識しました。 自分の性格や資質で片付くような問題ではない。 治療を受けたり、考え方、行動パターンを変えて会社に適応できるようになったのです。 前上司はそのことをよく分かってくれていたのです。 Fさんは現在の上司の理解を得ることは難しいと考えて、「上司に巻き込まれないようにすること」を心がけるようにしました。 気分変調性障害の人は自分の心身の状態が悪くても、上司からきつく指導されれば、それに巻き込まれてしまうことがあります。 Fさんの場合は自分を見失うことなく自己主張ができています。素晴らしいことです。 部下に理解のない上司はすべての面で部下を思いやることのない人です。 そういう人は管理職としての資質に欠ける人です。 組織としてまとまって目標を達成することが難しくなると思います。 いずれじり貧となり管理職から外されることになるでしょう。それまでの辛抱です。 そういう上司はどこの会社にもいます。まともに対応しないことも一つの方法です。 それとチームとして仕事に取り組んでいる場合、一人抜けると誰かがその仕事をしなければなりません。 誰もいない場合は他の同僚に負荷がかかります。 他の同僚も同じように有給休暇をとっていれば特段問題は起きません。 自分だけが時々有給をとっている場合は他の同僚から不平不満が出てきます。 これは無視できません。有給休暇はある程度とることが義務つけられています。 全員がとれるように計画を立てておくのが上司の役目だと思います。 Fさんの場合はランダムに取得することになるでしょう。 他の人の場合は計画取得になるかもしれません。 また上司の役割はアクシデントに備えて仕事が滞らないようにすることです。 仕事の分担を組み変えて流れを止めないこと。 あるいは緊急対応として自分が現場に入ることなどです。 そういう余裕を持った人員配置が必要なのです。 よく有給をとる人を戦力外とみなして、最初から除外していくのでは組織として成り立ちません。 非常識の域です。公平にとれるようにすることが肝心だと思います。 しかし普通の会社は、最低の人数で、サービス残業して、目標達成できるようなシビアな職場が多いことも事実です。 そんな中で、気分変調性障害の人はどう対応したらよいのか。 まず休む時はなるべく早く伝えることです。 それと上司や同僚に気分変調性障害は病気であることをおりにふれて説明することです。 治療が必要であること。通院や薬物治療を行っていること。 現在の状況。病気と仕事の能率の関係性こと。 エネルギーを充電するための定期的な休養が必要であること。 Fさんの場合は、前上司から現上司への申し送りが不十分でした。 また、新上司は就任時個別の面談があるはずです。 その時に現在の状況については十分理解してもらうことです。 それでも理解を示さないというのは上司の方に問題があるのだと思います。

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