カテゴリ:人間関係、不即不離
野田俊作氏の話です。
結婚前の若いカップルのカウンセリングをやることが多いのですが、彼らの多くは出だしから間違ったことを考えている。 つまり相手と相性が良くて、一心同体で、互いに同じことをいつも考えていたら、幸せになれるだろうと思っている。 これ一見そうみたいに思えるでしょう。でも、実はこれは支配欲なんです。 相手が自分の思う通りに動けばいいなぁと思っているのです。でもそんな人いませんよ。 結婚してみればよく分かるけど、夫婦に与えられた課題はいったい何かというと、自分と違った物の見方をし、違った感じ方をする人とどう生きていくか、なわけです。 それを、できるだけ自分と同じ種類の人を、と望むから、まず最初に失望するわけですね。 この頃の若い女性はとてもバカげたことを考えているのね。 働き者で、やさしい男性がいいという。そんなもの、働き者だったらやさしいわけないのよ。 どちらか片方しか取れないのにどっちもある人間が理想だというこれ最初から間違い。 さらに根性の悪いことにですね、結婚して幸せにしてもらおうと思っている。 そんなアホな話はないと思う。 ちゃんとした男にくっついて幸せにしてもらおうという考え方が間違っている。 一生苦労するかもしれないけど、彼と一緒だったら、私はどんな苦労でもしようと思い、それが私の幸せだと感じる方がよい。 最初から一緒に苦労しようと思って、それで結婚しているならば、これはヨコの関係なんです。 あの人にくっついて幸せにしてもらおうと思っているのはタテの関係なんです。 結婚の出だしからタテの関係だから、それに伴って出でくる、対人関係は、みんなタテの関係。 親子関係や、嫁姑関係もね。絶えず感情が波立つわけよ。 およそタテの関係があるときに、我々の感情は騒ぎだすからね。 あなた方が日常生活の中で、感情的になることがあるとしたら、それはどこかにタテの関係があるからです。 相手と自分は別々の考え方をする人間です。だから考え方の違いがあるのが当然です。 それを、相手を自分の思うがままに支配してしまおうと意地を張るから問題が起きてくる。 違うことを前提にして、その違いをいかに妥協させてソフトランディグさせていくか。 そして協力して生活したり、子育てしたり、生活を楽しんだりする。 一人ではとても味わえない人生のだいご味を二人で作り上げて共有化していく。 そうでなかったら夫婦関係を継続することがストレスになり、精神的な苦痛を味わい、一人で暮らした方が健全であるということにもなりかねないのです。 ましてや世間体、経済的な依存関係を求めて一緒にいるといることは、地獄のような苦しみを続けているということになります。 これが心機一転、相手をコントロールしたい、相手を自分の思うように操りたいということは不可能なのだ。 またそういう人間関係を続けていてはいけないのだということに気がついて、態度を改めることができれば、途端に夫婦の人間関係は良好になるのです。 (続アドラー心理学トーキングセミナー 野田俊作 星雲社 82ページより一部引用) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.28 06:53:31
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