カテゴリ:欲望と不安
子どもを育てるにあたっては、好奇心が強くて、積極的で、意欲的な子どもに育てることが何より大切です。
そういう子どもは、神経症に陥ることは少なくなると思います。 ところが、あまりにも子どもの自由自在にさせていると放縦児になってしまいます。 放縦児というのは、欲望に対してほどほどということがなく、欲望が暴走している状態です。 人間にはもともと欲望が暴走しないように、抑制機能が備わっているものです。 ところが、親が過保護に育ててしまった結果、抑制機能が働かなくなっているのです。 自発性の育成を前面に押し出しながらも、ぜひとも自己統制力も同時に身につけさせたいものです。 自己統制力はどのように身につけさせていったらよいのでしょうか。 平井信義氏によると、自己統制力のしつけは1歳から始めることが重要だと言われます。 例えば、時間でもないのにお菓子をほしがったときに、「時間まで待ちましょうね」という提案をします。 その提案をしたならば、親たちがそのけじめをきちっと守ることが大切です。 子どもがどんなに泣いたり騒いだりしても、親が提案したことについては親自身がきちっと守ることです。 デパートやスーパーに子どもを連れていくと、「あれを買って、これを買って」とせがみます。 これは出かける前に今日はお菓子とかおもちゃは買わないけど、それでも一緒に付いてくるか、家でお留守番をしているか子どもたちに選択させましょう。 あるいは今日は108円までなら自分の好きなものを選んでもいいよと伝えておきましょう。 そして約束したことは子どもも親も絶対に守るようにしましょう。 そこを「今日だけは特別よ」などと妥協していては、子どもは親を甘く見てしまいます。 次に小学校高学年になると、こずかいは毎月ある程度の額をあたえて、こずかい帳のつけ方を教えましょう。 親の月々の予算の立て方や家計簿の付け方を、小さいうちから見せながら教えてゆきましょう。 ボーナスの使い方は家族で相談しながら決めている家があるそうです。 必要な支出を除いた後のわずかなお金の使い方を家族会議で決めるのだそうです。 次に、どこのうちでも子どもはお年玉をたくさんもらいます。 小さいうちから多額のお金を子どもに渡すのは感心しません。 小さいうちは親が管理して貯金しておくのがよいのではないでしょうか。 でもそれは子どもが将来必要なときに使うお金であり、親が勝手に使えるお金ではないことは自覚しておきましょう。 しつけで大事なことの一つに子どもにも家事の役割分担をすることがあります。 家族がそれぞれ家事の役割分担をして協力し合うことはぜひとも実行したいものです。 幼児には食器の後片付けや掃除、小学生になれば食事作りに参加する機会を与えて、家族に奉仕する心を育てることが大切です。 でも家によっては家事を手伝ったら駄賃を与えているというのがあります。 お金を与えるという習慣がつきますと、お金をくれなければお手伝いをしないことにもなってしまいます。気をつけたいものです。 それからなんといっても親が欲望を抑えて生活をしているという姿勢を子どもに見せるということが大切だと思います。 森田理論学習をしている人は普段から「少欲知足」の生活を心がけておられることと思います。 「子どもは親のいうことはしないが、親の後ろ姿を見て育つ」と言います。 親がお金を無駄遣いしないように気を配り、最大限に活かして使う姿勢は子どもが自己統制能力を身につけることに役立つと思います。 (子どもの能力の見つけ方伸ばし方 平井信義 PHP参照) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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香菜子です。いつも森田先生の森田理論を学習する上で参考にさせて頂いています。私が精神的不安定で未熟で神経症気質な理由は、過保護・過干渉な家庭で方縦児として育った結果、非常識で自己中心的な性格になってしまったせいかしらと感じました。小さなころ方縦児であったのはもちろん、大きくなっても家事や身の回りのことも全て家族がしてくれ、我慢したこともありません。今になって振り返ると、典型的な過保護・過干渉、アダルトチルドレン、アダルト方縦児だと思います。甘い考えかもしれませんが、自分で問題意識を持って森田先生の森田理論を学ぶようにしただけでも進歩と思いたいです。香菜子
(2016.07.06 06:44:45)
香菜子さんへ
>自分で問題意識を持って森田先生の森田理論を学ぶようにしただけでも進歩と思いたいです。 私もそう思います。 とかく親の育て方を恨んだりしがちですが、完全無欠な親はどこにもいないと思います。 それよりも、私たちが悩んでいるということは、神様が解決可能な大きな課題を与えてくださっていると理解したほうがよいと思います。 森田理論学習をされているということは、解消に向かって大きな第一歩を踏み出されているのだと思います。 森田では「努力即幸福」と言いますが、その努力のプロセスこそ、生きがいそのものだと思います。 森田理論学習は生涯にわたってかかわりを続けられますようにお勧めします。 (2016.07.06 17:55:56) |
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