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森田理論学習のすすめ

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2018.05.12
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森田理論学習において「純な心」の学習は重要である。
「純な心」という言葉は、森田理論で使われる特集用語である。
それだけに、難解で誤解を受けやすい言葉でもある。

森田理論学習をしている人は、純な心は、美しい感情、良い感情という意味でない事はよくわかっている。
森田先生は、素直な感情、直感、最初にわき起こってくる感情のことを「純な心」と言っている。
自分の価値観では受け入れることができない、いやなもの、醜いものであっても、最初に沸き起こってくる感情は「純な心」である。だから不安、恐怖、違和感、不快感、憎しみでも嫉妬でも、そのままに感じ、状況に応じては持ちこたえたり、表現すればよいと言っているのである。

「純な心」の理解が難しいのは、今わき起こった感情が初一念であるのか、あるいは初二念、初三念であるのか、区別がつきにくいという事である。
簡単に言えば初一念は素直な感情、初二念、初三念は初一念に引き続いて湧き起こる感情であり、「かくあるべし」などを含んでいる。
森田先生は、初一念の感情に従って発言をしたり、行動することを重視しているので、これを見間違えると大変なことになる。

例えば、中学生位の女の子が、深夜になっても、家に帰ってこない。家に連絡もしてこない。
親は何か事故に遭ったのではないか心配で、いてもたってもいられない。
その後何事もなかったように、娘が帰ってきた。
するとほっと安心して気が緩むのか、最初の初一念は蚊帳の外になってしまう。
そして娘の振る舞いを烈火のごとく非難する。いかりや腹立たしさが沸き起こってきたのだ。
これは初一念に引き続いて沸き起こってきた初二念であるが、初一念と見間違えて行動しているのである。

小学生を引率して遠足に行った先生の対応。帰る時間が来ても、 2人の児童が集合場所に戻ってこない。
どこに行ったのだろう。事故にあって怪我でもしているのではないか。心配でしかたがない。
そのうち遅れて帰ってきた。
すると、「どこに行っていたの。皆から離れて遠くへ行ってはいけないとあれほど注意していたでしょう」と児童を叱りつける。

学校で脚立に登って文化祭の掲示物を取り付けていた生徒が危うく転落しそうになった。
それを見ていた先生は冷や汗が出た。でも転落しなくてケガがなくてよかったと最初は思った。
しかし、口をついて出た言葉は、 「不注意にもほどがある。骨折でもすれば先生の責任になるんだぞ」と生徒を叱り付けた。

これらの例は、すべて初一念と初二念の感情を取り違えているのである。
取り違えてしまうと、その後の言動が全く違ってくる。
だから、森田理論学習で純な心について学習したら、今度は実際の例で検証してみる必要があるのである。
これは1人で行っていてもなかなかうまくはいかないが、大勢のグループでやるとよくわかるようになる。
自分が、これは初一念に間違いないと思っていたことが、実は初二念であったということが容易に判断できるようになる。

私が考えるには、初一念は相手や対象物と一体になっている。ものそのものになっている。
例えば大切な骨董品を落として壊したとき、 「しまった。取り返しがつかない事した。なんとか元に戻らないか」と一瞬考える。
ところが、すぐに、「これが見つかったら大変なことになる。叱られる。弁償させられる」などと考える。この時点では、心が骨董品から離れて、責任逃れのようなことばかり考えている。
通常はこの初二念をもとにして対策を立てようとするのである。
相手から見ると弁解や自己保身に躍起になっている人を見ると我慢ができなくなってつい叱責してしまうのである。
森田の「純な心」は大切な考え方という事はわかっても、このような体験学習をしていないと全く身につかない。
集談会などの自助グループなどの学習の場で事例を出し合いながら学習することが大切である。






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Last updated  2018.05.12 06:30:17
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