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森田理論学習のすすめ

2019.02.15
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今日は「直観」と「直感」の違いについて考えてみたい。

というのは、森田全集第5巻の306ページに、森田先生は「直観的」「直観力」という言葉を使われているからである。注目するのは「直感」という言葉を使われていない。
これは森田先生の明確な意志が感じられるような気がする。

国語辞典によると、「直観」とは、 「推論を重ねて結論に達するという道筋をたどらないで、全体を見ていちどに本質を見る事」とある。類似語として「直覚」とある。
「直覚」とは、ちょっと見ただけで、 「ああ 、あれだ」とピンとくる事である。
これに対して「直感」とは、 「説明や経験をぬきにして、直接に感じてわかること」とある。

私流に解釈すれば、「直観」とは、他人や物事、出来事を実際に自分が出向いて、詳細に観察することによって真実を知ろうとする生活態度のことではないか思う。
そういう立場に立てば、森田先生の行動はよく理解できる。
例えば、熊本の五高時代に幽霊が出るという屋敷を真夜中に探検されたこと。
よく当たるという占い師のところへ直接出向いて、その占いの実際を調べられた事。
犬神憑きの実態について、実際に家々を訪問して調査されたこと。
温度の違う熱湯の中に手を入れて、それが人間の体感に及ぼす影響を調べられたこと。
関東大震災の時に、流言飛語がどのように人間に影響を与えていたのかをつぶさに調べられた事。
これらは他人の話や書物などを見て、自分の頭の中で納得し結論を得るという立場とは違うのである。
事実を自ら出向いて詳細に観察し、事実の中から真実をつかむという明確な意志が感じられる。
われわれは、先入観、早合点、思い込み、決めつけによって真実を見誤ることが多い。
森田理論は、事実を正確につかむことから始まる。
事実が曖昧であったり、抽象的であったりしては出発点からして間違っているのである。
事実は自分の目で確かめ、具体的である必要がある。
森田道を歩もうとする人は、多少手間暇がかかっても、事実を正確に観察するという態度が不可欠である。

次に「直感」ということだが、この言葉も森田理論学習の中ではとても大きな意味がある。
「純な心」は、素直な心、あるがままの心であるといわれている。
もっとわかりやすく言うと、初一念、直感力のことである。
物事や出来事、他人の言動に接して、最初に湧き上がってくる感情のことである。
しかし、人間は初一念や直感に引き続いて、 「かくあるべし」を多分に含んだ初二念、初三念の考えが湧き上がってくる。それに基づいて、反応したり対策を立てたりすることが多い。
森田理論では、そういう対応のやりかたは間違いが多く、かつ葛藤や苦悩を抱え込むことになることが多いという。神経症に陥る大きな原因となっている。
そんな時、森田理論学習と修養によって、常に初一念や直感に立ち帰るという能力を身につければ、神経症に陥ることが少なくなる。またとても楽な生き方に変化してくる。

したがって、「直観」と「直感」という言葉は、森田理論の世界の中では、それぞれにもとても大きな意味を持っていると言わざるを得ない。どちらが正しいとか間違っているとかいう問題ではないのだ。
森田療法理論には、言葉にとらわれてしまうと、森田先生の伝えようとするところからそれてしまうという面がある。そうなると何のための森田理論学習なのかということになってしまう。
大まかに森田先生の真意がつかめればよいのである。






Last updated  2019.02.15 06:30:09
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