3221251 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2019.09.21
XML
カテゴリ:森田番外編
徒然草に「仁和寺の法師」というお話があります。
これは学校の授業で聞いたことがある人も多いでしょう。
あらすじを簡単に紹介しましょう。

仁和寺の法師が酔っぱらって,調子に乗り,側にあった足鼎(あしがなえ,三方に脚が付いた金属製器具で,お湯を湧かしたり,食物を煮る為に用いました)を無理やり頭に逆さまに被ってふざけて踊っていた。そこに居合わせたものも、大いに喜んで楽しんでいた。
ところが余興が終わって、足鼎を頭から抜こうとしたが、鼻や耳が引っかかって抜くことができなくなった。宴は急に興ざめしてして、みんなどうしたらよいかとうろたえました。
そのうち、首の周りは傷ついて、血が垂れ、次第に腫れてきた。
息も詰まってきたので、周りの者が、足鼎をたたき割ろうとしたが、簡単には割れない。
また足鼎を叩くと、音が響いて我慢できなくて後ずさりする有様だった。
都の医者に見せたけれども、「こんな治療法なんか知らない」などと言われて追い返された。
ある者が、「例え耳や鼻が切れてなくなるとしても、命だけはどうして助からないことがあろうか、いや助かるだろう。ひたすら力を精一杯入れて引っ張りなさい」と言う。
意を決して、わらの芯を首の周りに差し入れて、首もちぎれてしまうぐらい引っ張ったところ、耳や鼻は欠けて穴が開いたものの、足鼎は頭から抜けたのであった。
当人は、辛くも危うい命を拾ったが、長らく寝込んでしまったとのことである。

私はこの話を聞くとぞっとする。
自分の軽率な行動が招いた結果とはいえ、適切な対応策が見つからない。
打開策がないまま時間だけが過ぎていく。
こうなると不安や恐怖で精神錯乱状態に陥ってしまうのは時間の問題だ。
この法師の場合、唯一の救いは周りの人が近くにいてくれることだけだ。
何とかしてくれるのではないかということだけが希望の光だ。
しかし現実問題として、励ましてもらうだけでは、どうにもならないことが多い。
危機的状況が、肉体的にも精神的にも自分を追い詰めていく。

これは突発的な命にかかわる出来事に遭遇して、対応策もなく、一瞬のうちに身体的、精神的にパニックに陥ったのである。周囲の人の援助が全く期待できない場合や救助が遅れるような場合は、すぐに生命の限界を迎えてしまう。

私の人生を振り返ってみても、小学生のころ海でおぼれてしまったことがある。
友人が助けてくれて間一髪助かったことがある。
森田ではどうすることもできないことは、受け入れるしかないというが、それもつらいことである。

命の危機に直面することは日常たびたびあることではない。
でも自分の軽率な行為で、イライラして心の危機に直面することは多々発生する。
例えばガンなどと診断されれば、誰でも冷静ではいられなくなる。

私は心の危機に陥ったときに必ずすることが2つある。
一つは、マーラーの巨人という曲をすぐに聞くことにしている。
確か25分過ぎからの部分に自分の心を癒してくれる効果があるのである。
この曲に何度助けられたことか。自分に寄り添ってくれるのである。

それから、テレビ番組をDVDに落としてある映像を見るのだ。何点か持っている。
この中でも、プロジェクトXの瀬戸大橋の建設の現場監督をされていた杉田さんの話である。
杉田さんは過酷な環境の中、奥さんをがんで亡くされ、残された2人の幼い子供たちを懸命に育てておられた。そして難事業の瀬戸大橋も完成された。
その祝賀会の華やかな席に杉田さんの姿はなかったという。

それから伝説のプロ野球のコーチである高畠導宏氏をモデルにした、「フルスィング」というドラマである。高畠さんはプロで数多くの有名選手を育てて、引く手あまたの伝説のコーチであった。
その高畠さんが、プロ野球のコーチから福岡県の高校の教師に転身された。
しかし夢半ば、甲子園を目指す中で、ガンで倒れて亡くなった人だ。その生きざまに共感する。
ちなみに「甲子園への遺言」講談社という本は、高畠さんのことが詳しく紹介されている。

私は、心の危機に陥ったときは、一人静かに、マーラーを聴き、これらの映像を見るのである。
その人たちが、「人生を簡単にあきらめるなよ」と教えてくれる。
最悪の状態でも命を奪われることはないという気持ちになる。
いつの間にか勇気が湧いてくるのである。

心に危機に陥ったときは、その苦しみを吐き出せる人を持っていることは一番大切である。
私は集談会の中で見つけ出した。
それに加えて、自分に寄り添ってくれるものを用意しておくことをお勧めしたい。
何もしないでくよくよと悩んでいるよりも、心の危機に陥ったときに、普段から助けとなる音楽やDVDのようなものを常に用意しておくことは、人生においては大いに役立つことがあるのだ。
よかったら皆さんもぜひ実行してみてください。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.09.21 08:46:53
コメント(0) | コメントを書く
[森田番外編] カテゴリの最新記事


PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯@ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯@ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

Category

Archives


© Rakuten Group, Inc.