森田理論学習のすすめ

2019/12/29(日)06:41

気分本位の生活態度について

感情の法則(205)

森田理論では、気分本位の生活態度は弊害だらけであると指摘しています。 気が重い、億劫だ、やる気がしない、楽をしたい、現状維持に甘んじる、無駄なエネルギーを使いたくない。こういう気持ちを優先して目の前のやるべきことを放棄する態度のことを気分本位と言います。 こういう生活態度は依存体質になってしまいます。自立して生きていくことが難しくなります。 そしていつまで経っても生きがいを持つことができなくなってしまいます。 次から次へと目の前に立ちはだかっている課題や問題点に、いくら気持ちがついていかなくても、ボツボツとイヤイヤ仕方なしに手をつけていくことが大変重要です。 そんないい加減な気持ちでやると、手掛けたことは中途半端ででたらめになるかもしれない。 今までにそういう経験を積み重ねてきた人は多いと思います。 これは顕在意識の部分では「やらなくてはいけない」と思っても、潜在意識が足を引っ張っているのです。 いつも潜在意識の方が顕在意識をリードしていますからそういう結果を呼び寄せてしまうのです。 しかし、もう一方の側面を忘れてはなりません。 ボツボツとイヤイヤ仕方なしに手をつけていくうちに、その気分本位の気持ちに変化が生じてくるという側面です。 たとえば、読書をしていても最初の50ページぐらいはとてもしんどいです。 本の内容によっては、眠くなったりもします。そこで読書を中止してしまうこともあります。 ところがよい内容の本にあたると、ついつりこまれて、眠気も吹っ飛び、集中して無我夢中になっている自分を発見したりします。最初は気がのらなかったのに、我慢して読んでいるうちに、弾みがついてきたのです。気分本位になって、途中で投げてしまわないでよかったという体験をすることができます。 土曜日や日曜日を過ごした後の月曜日は誰でも憂鬱になります。 そこで仮病を使って有給休暇をとってしまうこともあります。私もありました。 まさに気分本位の態度です。でもパジャマのままだらだらとそのまま寝ていても、気分はよくなりません。それどころか不快な気分を持ちこしているので、火曜日に出勤するあたっては、さらに不快な気分に押しつぶされるようになってしまいます。ずる休みしてしまった。 同僚に迷惑をかけてしまったという自己嫌悪の気持ちでたまらなくなってきます。 他の人も月曜日にはそういう気持ちになっているのですが、気分本位を打破して、イヤイヤ仕方なく出勤してきたのです。そうすると、午前中ぐらいはどうも調子が上がらない。 ところが昼ごはんを食べた午後ぐらいになると、エンジンがかかり始める。 火曜日ぐらいにはだいぶ仕事のほうに順応している。 ところがずる休みをしていた人は、みんなと同じような月曜日を過ごしていないわけです。 自分一人だけ、火曜日になって月曜日の不快な時間を過ごすことになるのです。 当然同僚たちとは波長が合いません。最初からリズムがずれているのです。 これを回避するためには、月曜日にイヤイヤ仕方なしに準備をして出勤することなのです。 決して気分本位の気持ちに合わせてしまってはいけないのです。 気分本位の気持ちは誰にでも湧き起こってきます。 それに追随することのメリットは、ほんの一瞬だけです。 後に長く残るのは、自己嫌悪と後悔だけになります。 森田では気分本位の生活態度は真っ先に改める必要があると考えています。 森田先生はこの態度が身について時が小学校卒業程度であると説明されています。 今でいえば中学校卒業程度でしょう。 明日は理知本位の生活態度の誤りについて考えてみたいと思います。 これが理解でき、実践できるようになったときが中学卒業程度であると森田先生は言われています。 今の時代でいえば、高校や大学卒業程度になると思われます。 その二つの誤りを理解して、物事本位、事実本位の生活態度を身につけたとき、あなたの人生は光り輝くものとなるでしょう。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る