森田理論学習のすすめ

2022/05/22(日)06:35

人間関係の4つのパターンと対応方法

人間関係、不即不離(394)

対人関係で悩んでいる人は、私と相手の間に解決しなければならない問題点や欲求不満が存在していると考えて対応するのは如何でしょうか。 これをもう少し詳しくみると4つのパターンがあります。 1、私も相手も問題点や欲求不満は全く感じていない。 二人は対立していない。穏やかな関係にあります。 2、私だけが相手に対して問題点や欲求不満を感じている。 相手は私に対して問題点や欲求不満を感じていない。 3、私は相手に対して問題点や欲求不満を感じていない。 相手が私に対して問題点や欲求不満を感じている。 4、私も相手もお互いに問題点や欲求不満を感じている。 対人関係を改善するにあたっては、二人の関係がどのパターンであるかを認識することが肝心です。パターンの認識がはっきりしていると、次に取り組むべき課題が明確になります。 1のパターンは、他人と交流することは楽しみそのものです。 飲食、趣味、カラオケ、スポーツ、共同作業、学習など一緒になって精一杯楽しむことができます。 2のパターンは、自分の気持や感情、欲求や欲望を相手に理解し分かってもらうことが必要になります。 自己主張することを、別名アサーションと言います。 正しいアサーションの技術を身につけることが大切です。 技術はいろいろあるでしょうが、ここでは一つだけ挙げておきます。 ここで大いに役立つのは、「私メッセージ」の活用です。 これは森田理論学習の中で耳にされた方も多いでしょう。 「私」を主語にして自分の気持や感情、欲求や欲望を相手に伝えるようにする。 ただし、その要求を相手が飲むかどうかは分かりません。 飲むか飲まないかは、相手に決定権があるという考え方です。 「私メッセージ」の活用は、相手に「かくあるべし」を押し付けないので、反発されることがありません。 「私メッセージ」の反対は、「あなたメッセージ」です。 「あなた」を主語にして、自分の気持や感情をあらわにし、欲求や欲望を無理やり飲ませることになります。 非難、説教、命令、指示、叱責、脅迫することになります。 この方法では人間関係が簡単に壊れてしまいます。 3のパターンの場合は、相手の気持ちや感情、欲求や欲望を十分に聞いて理解することが大切になります。ここでは「傾聴の技術」が必要になります。 傾聴というのは、自己主張を抑制して、相手の話に真摯に耳を傾けることです。 しかし、これは「言うは易く行うは難し」です。 批判、否定、善悪の評価の言葉は避けることです。安易な同意も危険です。 すぐにアドバイスをするのもいただけません。 アドバイスしたくなっても我慢してひたすら相手の話を聞くことです。 傾聴の上手な人(たとえば集談会の先輩会員、カウンセラー)に話しを聞いてもらっていると、安心して自己開示できます。 その結果、より深く自分と向き合うことができるのです。 自己開示が進んでくると、自分が今まで気づくことができなかった無意識に隠れていた気持・感情・かくあるべしを含む思考パターンに気付くことができるようになる場合があるのです。 普段の生活の場面では、ほとんどあり得ないことが起きるのです。 これがカウンセリングや傾聴の醍醐味と言われています。 これが自覚できると、その後の対応方法が変わってくるからです。 カウンセリングの目的は、カウンセラーの力を借りて、本人が気づきや自己洞察を深めることにあります。 傾聴の手法としては、タイミングよくうなずき、あいづちを打つ。 相手の話をオウム返しに繰り返すなどがあります。 基本的なことを抑えておくと役に立ちます。 4のパターンの場合は、「傾聴」と「アサーション」の二つの技術が必要になります。 まず相手の言い分を吐き出してもらう。自分としては傾聴に徹する。 その次の段階は、自分の気持や感情、欲求や欲望を相手に伝える。 二人の間に横たわっている問題点や課題をお互いに共有化する。 双方が妥協点を目指して対等な立場で話し合いや交渉をおこなう。 譲ったり譲られたりしながら、ほどほどのところで折り合いをつける。 お互いに協力してwin winの人間関係を作り上げることです。 人間関係に問題を抱えている人は、まずどのパータンに当てはまるかを明確にする。次にパターンに対応した方法で対人関係の改善を目指す。 傾聴やアサーションの技法は確立していますので、あらかじめ学習しておくと役立ちます。

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