森田理論学習のすすめ

2023/01/13(金)11:18

対人恐怖症の人付き合いについて

人間関係、不即不離(394)

対人恐怖症の人は、人付き合いの下手な自分を自己否定しているのではないでしょうか。それがますます人間関係を悪化させている側面はないでしょうか。 私は人の輪の中にいると、緊張して、いつも息苦しさを感じています。 仲間とワイワイ騒いでいても、一人になるとホッとします。 一人になって好きなことをするのが至福のひとときなのです。 基本的には一人で過ごしている時のほうが、緊張感もなく居心地がよいのです。 たまには仲間と飲んだり、カラオケを楽しむことがあります。 これはカンフル剤のようなものだと思っています。 カラオケを録音して一人で楽しむのもいいものだと思っているのです。 あるいは好きな本を読んで古今東西の人の話に耳を傾けることが楽しい。 アメリカに住むハタネズミは、山岳に住んでいるサンガクハタネズミと平地で暮らすプレーリ―ハタネズミがいるそうです。 同じハタネズミですが生活スタイルは全く違います。 サンガクハタネズミは単独行動を取ります。群れで暮らすことを嫌います。 家族や子供や仲間と仲良く暮らすよりも、自由で気ままな生活が性に合っているようです。 これに対してプレーリーハタネズミは、家族や仲間を大事にします。 群れの中で仲良く暮らすことに、大きな価値を置いているのです。 私の場合は、サンガクハタネズミのタイプなのです。 大阪に単身赴任していた時にそのことがよく分かりました。 休日になると、大阪、京都、奈良、神戸、和歌山、滋賀などの観光地などをめぐり歩くことが一番の楽しみでした。帰省するのは、月1回くらいでした。 帰省するよりも家族を呼び寄せて、単身赴任先で家族と休日を楽しみたい。 その中でも一押しは、サントリー山崎工場見学、サントリー京都工場見学、京都競馬場、天満天神商店街、その中のすし屋「春駒」での食事でした。 ツアーを組んで、多くの人を接待して喜ばれました。 特に酒好きの人はたまりません。 同じ単身赴任の人でも、不安タイプの人は全く違っていました。 金曜日になると家族の住んでいる家に帰省するのが、唯一の楽しみだというのです。休日に心の飢えを癒さないと体がもたないようなのです。 観光地巡りを提案しても全く取り合ってくれません。 私は対人恐怖症の人は、その特徴を自覚することが大切だと思います。 仲間と群れるよりも、単独行動により大きな価値を見出している人間だということです。それが分かれば、無理して群れに関わるようなことを考えなくなります。 そういうスタイルで生活すると決めたら、群れて楽しく生活している人をうらやむことはやめることです。 それよりも自分の生活スタイルをとことん楽しむことです。 但し人間は社会的な生き物ですから、まったく他人との関係を断って生活することは不可能です。対人恐怖症の人は、常識的な付き合いでさえ無視ないしは軽視する傾向があります。 あいさつをしない。愛想笑いをしない。懇親会に行かない、葬式に行かない。 町内の共同作業を欠席する、約束を守らない。平気でドタキャンを繰り返す。 暴言や暴力をふるう。とにかく自分勝手な言動が多い。 森田では人間関係は「不即不離」をお勧めしています。 これは引っ付きすぎず、離れすぎない人間関係です。 対人恐怖の人は、離れすぎて問題を起こすことが多いという傾向があります。 自分では気づかないうちに、人間関係を悪化させている場合があります。 ここを注意すれば、単独行動を好む生活はストレスもなく楽しい生き方となります。 スポーツでいえば、サッカーやラグビーのような団体競技には向きませんが、剣道、柔道、マラソンのようなスポーツには向いていると思います。 仕事でいえばチームで仕事をこなすのは苦手ですが、農業、職人、料理人、自営業、研究職のように単独で一つのことを掘り下げるような仕事には向いていると思います。

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