2024/10/30(水)06:41
売られた喧嘩は買わない
森田の勉強会に参加しているとプライドが高い人にお目にかかることがある。
議論などをするとき相手をコテンパンに叩きのめさないと気が済まない人である。
負けず嫌いの人で、相手に勝つことに無上の喜びを感じる。
上下の人間関係でいえば、必ず上に立たないと気が済まない。
自分が下の人間でいることは、沽券にかかわると思っている。
相手からすれば「あなたそんなに偉いの」という感じである。
実は私もプライドが高いのである。
そのために対人関係でいろいろと問題を起こしてきた。
自分のことを無視する人。からかう人。馬鹿にする人。非難する人。否定する人などは許せないのである。
相手が格上の場合はすぐに逃げる。以後相手に近づかなくなる。
相手を同等か格下とみると、売られた喧嘩はすぐに買うという態度にでる。
反論する。反撃をする。嫌がらせをする。人格攻撃をする。暴力的になる。
勝ち負けをかけていがみ合うと、勝っても負けても禍根を残す。
自分が仮に勝った場合、相手は周囲の人に罵詈雑言を吹聴する。
その結果、相手だけではなく多くの人を敵に回すことになるので人間関係はますます悪くなる。
相手と勝ち負けをかけて戦ってよいことは何も起こらない。
プライドの高い人は、自分から喧嘩を売らない。
売られた喧嘩は買わないという気持ちを持っておくことが大事になります。
「孫子の兵法」のなかに、「敵の10倍の戦力であれば敵を包囲する。5倍の戦力であれば敵軍を攻撃せよ」とある。
これは逆にいえば、5倍以下の戦力しかないときは、攻撃してはならないというのだ。同等の戦力のとき、破れかぶれで戦うと、双方が大きな痛手をうける。
そのスキを縫って、対抗している別の第三国があれば、簡単に征服されてしまう。
勝つか負けるかという戦いモードの人で生きている人は心が休まるときがありません。完璧に防御態勢を固めておかないと、いつ攻めてこられるかと疑心暗鬼になりストレスがたまるばかりとなります。
合気道では相手と正面からガチでぶつかり合うことはしないそうである。
相手が攻撃してきたとき、相手のその力を利用して、相手のバランスを崩し、こちらの有利な態勢に持っていく。
呼吸を図り、相手の力に逆らわずそれを活かすので、こちらはそんなに筋骨隆々になるまで鍛える必要はない。
相手が喧嘩を売ってきたら「負けるが勝ち」という気持ちをしっかり持っておくことが大事になります。
スクランブル発進で、売り言葉に買い言葉でやり返すことは考えものです。
怒りの感情は6秒で一山登ると聞きました。その間はひたすら耐えることです。
次に「トイレに行ってきます」「ちょっと一服してきます」と言って席を立つ。
日記やメールに腹立ちの内容を書いてもよい。
風呂で大声で叫んでもよい。
相手に勝ちを譲って、気持ちよくさせるという戦術をとり入れている人もいます。
相手に言いたいだけ言わせて、反発しないで静観していると、暖簾に腕押し状態になることは容易に想像できます。
自分の方から喧嘩を売らない。相手からの売られた喧嘩は買わない。
これは人間関係を悪化させないコツの一つになります。
松山城