2010/01/14(木)22:39
★本★ジャポネース・ガランチード★
「ジャポネース・ガランチード」という言葉をご存知でしょうか?
「信頼できる日本人」という意味のポルトガル語です。
ブラジルでは、私たち日本人の事をこう呼ぶのだそうです。
また、案外知られていない事ですが、ブラジルは、日本の次に日本人の多い国でもあります。
この本の中にこんなエピソードがあります。
1975年当時、りんごは国内生産量ゼロ、その全てをアルゼンチンからの輸入に頼っていたブラジルで、りんご栽培をゼロからスタートした頃のお話です。
JICAを通じて日本から後澤憲志農学博士を招聘、サン・ジョアキンという標高1400mに位置する石の山が入植地として選ばれました。
その後澤博士の言葉は、次のようなものだったといいます。
ここから引用・・・・・・・・・・・・
「石は動かそうと思えば動く。しかし気候は動かない。だから石を動かすしかない。」
りんごを育てるのに良い気候はここしかない。いくら辛くても、この石を動かすしか道はない。この後澤先生の言葉は、どの人も納得せざるを得ない言葉でした。
そして35年たって、あの石の山が年間3万5000トンのりんごを生み出す山になっているのですから、後澤先生を神様と呼ぶのも無理はありません。
そして、後澤先生に導かれて一心に努力した日本人たちを、地元のブラジルの人は「果物の神様」と呼ぶのです。
・・・・・・・・・・ここまで引用
今、ブラジルは、りんごの輸出国です。
2000年には生産量100万トンを越えました。
ですが、元々は、一つまた一つと石を取り除くことから始まったのです。
この本の中には、そんな日本人のエピソードがぎっしり詰まっています。
なにかと暗いニュースの多い昨今ですが、地球の裏側で、頑張ってきた、また今も頑張っている日本人が沢山いることが、とてもよくわかる本です。
そして、日本人であることがなんだか嬉しくなる、そんな本でもあります。
こちらは前著「ブラジル百年にみる日本人の力」
どちらも冬の夜長にお勧めの一冊です♪