アラブ社会で仕事するということ
アラブ世界で仕事をするのは、思っていたよりタフ。“なんでやねん”と思わず叫びたくなるようなこともしばしば・・・アラブ人は概して「プライドが高い」と言われます。アラブと言っても色々な人がいますので一概には言えませんが、このプライドの高さが顕著なのは、上の立場に付いている人たち。まぁ、これは日本でも、特に中小企業や同族会社の社長にありがちな傾向ですね。私は今まで2つの会社を経験しましたが、どちらの社長もプライドは相当高かったですね~。特に2つ目の社長はとにかく自分の力を誇示したがります。社員をとことんコントロールし、無理難題を言いつけて相手をわざと困らせ、自分の立場のほうが上である事を誇示するのです。真のリーダーシップって、そういうものではないですよね~。さて数々の“なんでやねん?”の中で、まず私が直面した問題はお給料の未払い。1回目は、アラブ社会でよく知られた名字を持つ友達にオフィスまで出向いてもらって解決。これは以前のブログで紹介済み。2つめの会社では、自分から取りに行きましたよ~。私も成長しました! さてこの時、社長は給料未払いなのに謝ることもなく、なんと「お金が欲しいか?」とのたまう。タダ働きしとるわけやないちゅうに、と心で悪態を付きながら(笑)、ここはキレたら負け。それでニッコリほほ笑みながら、「日本ではお給料の未払いって、倒産しかけの会社だけなんですよね。お給料の支払いが遅れるってことは、その会社が危ないってことのサインなんです~」と笑顔の中に皮肉たっぷり。これはかなり相手のプライドを傷つけたようで、「You are right」と言いながら「I don't like what you say」などと意味不明な言動。その後もかなりこだわっていました。でもお給料はすぐに渡してくれました。当然です!こんな風にお金をなかなか渡さないのはアラブ流。こうすることで「オレが金をやっているんだ、オレの方が上なんだ」と誇示したいわけです。なんか間違っている・・・・そんな感じで、アラブとの駆け引きはなかなか難しい。プライドは傷つけたらだめだけど、言うべきことははっきり言わないと どこまでもコントロールしてきます。アラブの同僚たちは社長の前ではヘコヘコ。でも社長がいないときは、ボロクソに悪口を言います。日本人以上に本音と建前があります。というか、社長がワンマン過ぎるんですけれどね。ちょっと距離を置いてみると、このアラブ流も何となく懐かしい今日この頃・・・(笑)。さて、またヨルダンに戻ったらこの微妙な駆け引きを楽しまなくては、ね。