月の砂漠-ヨルダンから

2015/08/12(水)23:42

あるシリア人女性の物語

シリア事情あれこれ(44)

売春してたんじゃないか…彼女の目を見ながら思っていた。17歳で結婚。21歳で離婚。当時幼児だった子供2人を抱え、22歳からレストランの厨房で働き始める。5年間。時を前後して、2人いるうちの兄が一人亡くなり、父親は4年間シリアの刑務所へ投獄される。女手一つで2人の子供を養っていくのは、たとえ人々の情が深いシリアであっても並大抵のことではない。その後、シリアの内戦の激化に伴い、彼女は自分の妹と2人の子供を連れてトルコへ逃れる。トルコで3年間働き、海を渡る資金を整えた。トルコでは何でもした。そういう彼女の話を聞きながら、コックだった彼女が言葉も分からないトルコで3年間どうやって仕事をしてきたのか、うっすら思っていた。大変だったね。つらい思い出がフラッシュバックしてこない? と聞いた私に対して彼女は、「ドイツでも子供の学校のこと、日々の生活のこと、考えることが一杯あって過去のことなんて考える時間はないわ」。過去は振り返らない、前だけを見て歩く…そう決意しているようだった。そんな彼女のことをつらつらと考えているうちに…「売春…してたんじゃないか」とふと思った。だって3年間で、3人分、もしかしたら妹の分も含めると4人分の旅費をためるなんて、神業(かみわざ)。しかも彼女は言っていた。トルコに移動した時、お金なんて全然なかったって。となると、3年間で女性一人で、しかも外国人で難民で100-150万ほど貯めようと思うと…売春しか道はないように思える。時折ふと見せる彼女の複雑そうな目の表情がそれを証明しているように思えた。でもドイツでは売春をする必要はない。多分、自分の仕事のことは家族の誰にも言ってない。彼女の子供たちは今、12歳と9歳。本当に人懐っこくて、私を見ると走って抱きついてくる。子供たちをシッカリ育ててきたんだな、と思う。体を売って。彼女は、だれにも頼らず一人で子供たちを引き連れて海を越えてきた。疲れた子供たちを抱っこして、昼夜を問わず歩き通した。男性でも厳しい行程を女性だけで突破してきた。そしてドイツで新しい一歩を踏み出そうとしている。そんな彼女のようなシリア人女性を温かい愛情で包んであげたいと思っています。↓応援のポチッ、毎日1回ヨロシクお願いしま~す。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してくださいネ。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/

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