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月の砂漠-ヨルダンから

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2015.08.24
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ダラアから来たシリア人の家族。父親と母親と3人の子供で、合計5人の家族です。子供たちはまだ小さく、一番上は9歳くらいの女の子。一番下は4歳の男の子。

ダラアといえば…ヨルダンとの国境。シリアでのデモはこのダラアから始まりました。ダラアでデモが始まってからだいぶ経っても、ダラア以外の地域は平穏そのもので、ダラアで何かが起こっているらしい…と聞いていても、「ふーん」というのが一般的な反応でした。それがいつしか国中を巻き込む内戦になってからもう5年以上が経過。

ダラアに住んでいるシリア人たちは、問題が起き始めた初期の初期からずっと不安定な生活を強いられています。この家族もそう。いつか終わる、いつかは終わる…と思っていたのに、もう収集がつかない段階まで来てしまったシリア。ヨルダンとの国境が閉じられ、レバノンの国境が閉じられ…シリアに閉じ込められてしまっている人も多くいます。

この家族は、やはり3か月かかって徒歩でドイツに到着しました。母親は30代前半か20代後半かもしれませんが、がんを患っていて、体中の痛みと闘いつつ小さな子を抱えて3か月の徒歩での行程を突破してきました。でも今では椅子に5分も腰かけていられない。一日の大半を床に身を横たえて過ごします。

彼女のがんは新しいものではなく、ダマスカスで乳がんの手術をして片方の胸を切除しています。でも内戦の激化に伴い、ダラアからダマスカスに治療で通うことすらできなくなった。また一番下の4歳になる男の子は自閉症。彼女いわく、妊娠中に爆撃などから来る極度のストレスを感じていたためだということです。4歳の男の子は、人と全くコミュニケーションを取れない。言葉も話さないし、トイレも自分で行けません。

またこの女性の夫は、かなり年が離れていると思われますが、非識字で母国語のアラビア語も読めません。彼女は持ち前の明るさと機転で一家を引っ張ってきましたが、もう自分が長くないことを知っています。片方の残っている方の胸も、切除した胸と同じ痛みがする…もう私は長くないけれど、この自閉症の子が心配…この子一体どうやって生きて行くのか…と淡々と語る彼女。

彼女の病気はもう片方の胸だけではなく、体全体を冒しているようです。ドイツの病院では、手が打てないということ。というのも、彼女たちはドイツに来たばかりで、まだ永住権を持っていない。この段階では、治療を無料で受けることができないのだそうです。必要な治療はすごく高いので、ドイツ側としてはお金も永住権もない彼女に今の段階で治療を始めることができない。

家事ももうできないので、夫が料理をしています。この女性、気さくでオープンで、かなり芯が強い。元気だった頃は、何でもバリバリこなしていたんだろうなと思います。彼女がいなくなったら、字も読めない夫と自閉症の子供と2人の小さな女の子が残されることになる…。この一家は母親で持ってきたようなものなので、母親がいなくなると一体どうなってしまうのか。

この家族は、ドイツ南部の小さな村に住んでいます。この家族以外にはアラブはいないし、大きな都市と違って田舎のドイツ人はまだまだ人情味がある。だから近所のドイツ人たちがこの家族を時どき訪問して、交流を持っているようです。ドイツに来てまだ新しいのに、ドイツ語をたくさん話すことができるのもそのためかと思います。

私が訪ねた時は、30分ほどイスに座って話しました。こんなに長くイスに座れたなんて、信じられない! アラビア語で話せることが嬉しい! と喜んでいました。やはり母国語でしか表現できないこともあるので、アラビア語で話しているとしばしの間は痛みなどを忘れられるようです。

そんな非常につらい環境にいるのに、彼女からは悲痛さは伝わってきません。ただただ、この子のことが心配…と繰り返す彼女。夫のほうがオロオロして、伏し目がちで…、そんな彼を見ながら、本当に男は逆境に弱いな! しっかりせいっ! と思ってしまう。

このご家族もとても気になるシリア難民たちです。今日は痛みはどうだろうか、どんな風に過ごしているだろうか…とふと考えてしまう。近いうちにまた訪問することになっていますが、彼女の症状が落ち着いていればいいなと思います。


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最終更新日  2015.08.25 00:06:21
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