月の砂漠-ヨルダンから

2016/03/18(金)21:01

シリアで邦人ジャーナリスト拘束…

シリア事情あれこれ(44)

昨日、シリアで行方が分からなくなっていたフリージャーナリストの方のものとみられる動画が公開されました。この邦人ジャーナリストの方がシリアで拘束された可能性については、去年の7月ごろから声が上がっていたようです。今回このジャーナリストを拘束しているのはイスラム国ではなく、イスラム国とは敵対関係にある「ヌスラ戦線」という武装組織だとみられるということです。ヌスラ戦線は、イスラム国と戦うと同時にアサド政権とも戦っている。彼らの目的は身代金を要求することだとか…。イスラム国とアサド政権の両方を相手に戦っている比較的小規模な組織であるわけですから、資金が必要なのは言うまでもないと思います。↑ ヌスラ戦線の戦闘員。CNNのホームページからお借りしました。ただしこの組織に関しては、少なくとも、イスラム国のように残忍な処刑を行っているといったことは聞かれていません。外国人の人質の扱いに関しては、イスラム国などとはあえて一線を意図的に画すということも十分考えられます。あるいは、ヌスラ戦線の政治的意図と外国人との間にはもともと何の関連もないわけですから、そもそも人質を手荒に扱う意味がないのかも。いずれにしても、拘束の目的は身代金要求というのは明らかなような気がします。私にはシリアで起きていることの真相というのはさっぱり分かりませんが、唯一分かるのはアラブの気質。アラブという国民は、お互いをさえ (つまりアラブ同士でも) 本当の意味では信頼していません。根強い不信感…これはアラブたちが互いに対して共通に持つ思いです。ですから、シリアで活動する組織の結束力も決して強いとは言えないと思います。アラブは、己の利益のためには何でもする国民。以前にも「寝返る男」というブログ記事を書いたことがあります。http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201509300001/ 己の利益のためには、あっさりと人を裏切ってしまう。普段からそうなのですから、戦闘地域で人々が極限まで追い詰められているような状況では、ましてそうであろうと思われます。そんなアラブを信じてシリア国内に入ることは無謀。アラビア語が話せたらまだ何とかなるかもしれませんが、アラビア語も話さない外国人が極限状態の戦闘地域へ赴くのは、やっぱり自殺行為だと思います。今回拘束された方に限らず、いわゆるジャーナリストの方々の活躍がなければ、シリア内戦で起きている事柄の多くは知られずに終わってしまうものかもしれません。それでも…シリア国内に入るということはあまりにも危険すぎる。以前の人質事件の時もそうでしたが、良いか悪いかは別として、今回の事件もシリアに入りさえしなければ起きなかったこと。極限状態のシリアで外国人がうろうろしているなら、「つかまえて」と言っているようなものです。目立ちすぎるのです。8年間アラブと共に暮らして、アラブの気質を知れば知るほど、私は以前よりずっと用心深くなりました。アラブの口約束を信じることは絶対にできない。今回シリア入りされたジャーナリストの方を含めて、日本人はその点、やっぱり人を信じやすい国民なのかもしれません。いずれにしても、この事件が早急な解決を見ることを心から祈っています。一日一回応援よろしく! です。↓ポチッ、してくださいね~。↓ 下の「ブログ村」のアイコンをポチッと押してください。皆さまの応援がランクが反映される仕組みになっています。 ヨルダンツアーのことなら何でも:http://picturesque-jordan.com/お気を付けください!!:当方のブログ「月の砂漠―ヨルダンから」および当方のホームページ「Picturesque Jordan」は、東京池袋にあるヨルダン料理・アラビア料理のレストランとは何の関係もありません。類似のキャッチフレーズを使用している某旅行会社のサイトや「Picturesque-Jordan」という名前で2013年に開設されている Facebook のページ (いずれも同一人物による) のことが報告されていますが、当方とは全く関係がありません。混同されないようにご注意ください。当方では、他のサイトの運営者と話し合ってオリジナルのキャッチフレーズや文面やツアーの内容を共有することは一切ございません。「当方のホームページまた本ブログ「月の砂漠―ヨルダンから」からの違法転載・不正転載を目にされた方はお知らせくださいませ。資格のない自称「ガイド」にご注意くださいませ!!:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201412230000/中東旅行のヒント! 現地旅行会社の選び方:http://plaza.rakuten.co.jp/fmtours/diary/201502220000/2220000/

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