ほんまに行儀悪いで、アラブ!! ―国境編
さて、ヨルダンからのイスラエル入国ルートについて少しご説明します。ヨルダンとイスラエルを結ぶ地上国境は合計で3つ。北の「シェイフ・フセイン橋」、死海周辺の「キング・フセイン橋」、それから最南端の「アカバ国境」の3つです。このうち、アンマンや死海からのアクセスが一番便利なのは「キング・フセイン橋」です。「キング・フセイン橋」というのはヨルダン側の名称で、イスラエル側では「アレンビー橋」という名で知られています。この「キングフセイン橋」または「アレンビー橋」が一番一般的に利用されている橋です。が、じつは正式 (official) な国境ではないので、ここでビザの発給は行われません。つまり、この橋からのヨルダン再入国が問題になることがあります。ヨルダンのビザがない人はヨルダンに入国できません。とはいえ通常のパターンとしては、日本人にはヨルダンに空路で最初に入国した際に1か月有効のビザが無料で支給されます。それでこのビザの有効期間内でしたら、イスラエル訪問してキングフセイン橋からヨルダンに再入国しても問題ありません。問題なのがイスラエルに空路で最初に入国して、ヨルダンに足を伸ばしたいというパターンですね。その際は、北部の「シェイフ・フセイン橋」か南部の「アカバ国境」を利用していただくしかありません。私が今回利用したのは、行きはキングフセイン橋(アレンビー橋)、帰りはアカバ国境の2つの国境です。ヨルダン側のキングフセイン橋は、とても閑散としていて人が少なく、表示もほとんどないので、うろうろとしてしまいました。しかも「長いものに巻かれろ」の精神で人が数人いるところに並んでいましたら「Arrival」(到着)のイミグレでした(笑)。「Departure」(出発)の窓口には誰も並んでいませんでしたので、手続きはあっという間に終わり、シャトルバス(4JD)に乗り込んでいよいよイスラエル側のアレンビー橋へと向かいます。アレンビー国境には、すでに先着の列ができていました。アラブに交じって外国人もチラホラ。が、大多数はアラブです。何らかの理由で入国審査に手間取っているようです。後からバスで到着した私たちは、しばしバスの中で待機。15分ほどすると列がじわりと動き出し、私たちもバスから降りることが許されました。アレンビー国境では、入国審査の前に別の窓口があり、入国の目的が訪ねられます。その列に私たちも並びます。後続のバスからも国境超えする人たちが降りてきて、次々に列が長くなっていきます。私たち外国人は行儀よく辛抱強く待ちますが、後ろから素知らぬ顔をして割り込んでくる輩(やから)が…。そう、言わずと知れたアラブです! 隣りのアラブと会話するふりをして、いつの間にか私の前に! この厚かましさとしらばっくれた態度は、ああ、まさにアラブのそれそのもの!しかし、どこを見てもアラブしかこんなことしてませんよ。ほんまに行儀悪いな!! しかも大 (だい) の大人が! さて、この行儀の悪いチビアラブおやじ2人は私の前にしゃあしゃあと入り込み、さっさと先に窓口を通り過ぎて行きました。もう勝手にせい。その後、いよいよ入国審査の窓口です。ここでもおとなしく列を作って待っていると、おや、また後ろから人が。今度は杖をついてよたよたと歩くおじいちゃん。もちろんアラブ。じいちゃん、列の後ろからやって来たと思ったら真ん前に陣取りましたよ。やはりアラブ! 呆気にとられて何も言えずに見守る私たち外国人。でもここでは、さすがにイスラエル人の女性係員が「何やってるの? 並んで並んで。あなたは後ろでしょ!!!」と一括。じいちゃん、確実に列を無視しているのに、それでも納得がいかない様子。その女性係員も目を大きく見開いて、信じられないというジェスチャー。思わず彼女と顔を合わせて私も「Oh, dear」(あきれて物が言えないね)。私の隣のヨーロッパ系の男性も思わず声に出して笑っていました。いやはや、ヨルダンで慣れているとはいえ、アラブって…つくづく行儀悪い!! しかしそれと同時に驚くのが、この行儀の悪さに極めて寛容なのもアラブ。先ほどのじいちゃんも、普通はすごすごと最後尾に並ぶべきなのに、とあるアラブが心やさしくも列に入れてあげていました。彼らの寛容さは ″Give and Take″ の精神に基づくものなのでしょう。つまり誰もが、次は自分が列を無視をすることを知っている。その時は目くじら立てずに入れてよね、と思っているのでありましょう。ああ、まさに人知を超えた(???)アラブ世界!!!そんなこんなで通り過ぎた入国審査です。審査そのものはものの5分ほどで終わり。晴れてイスラエル入国です!!! しかし、アラブの行儀の悪さが際立つのが国境越え。我先に、我先にと、ただそれだけを呪文のように唱えてるのでしょうか…困ったものです。「だからアラブは!」って言われちゃうんですよね~。 ヨルダンツアーのことなら:http://picturesque-jordan.com/ にほんブログ村←読み終えたらクリックしてくださいね。