年間500軒以上を食べ歩く飲食店プロデューサーの食日記

2020/06/10(水)22:18

『吾妻寿司』 1912年創業 100余年続く老舗寿司店でいただく岡山の郷土料理「ばら寿司」

岡山県(174)

3月中旬にリニューアルオープンした岡山駅ビル『さんすて』の南館 その後コロナウイルス感染拡大により休業されていたのですが、6月1日に営業を再開されているとのことで空港へと移動する前に視察を兼ねたお昼をいただくことといたします テナントが一新したとのことでしたのでどんなお店が入ったのだろうかと楽しみにしていたのですが、一人焼肉で話題をさらった『焼肉ライク』のほか、多くのショッピングセンターにも店舗を構える『鶏三和』や『さぼてん』などなどのチェーン店が多く、魅力に欠けるリーシングであるように思えます そんな中で唯一魅力的に思えたのが、明治45年の創業から100年以上も地元の方に愛され続けている『吾妻寿司』でありまして… 間口が広く開放的であることからカウンターに立つ職人さんの姿を覗き見ることもでき、白木の温かみを感じる明るい雰囲気に惹かれて暖簾を潜りますと… リニューアル前のカウンター13席だったという小さなお店はテーブル席を伴う30席ほどのお店へと生まれ変わっていて、家族や仲間での利用もしやすくなっていますね まだお昼の忙しい時間ではないことから、ひとりでありましたがテーブル席をいただくことができたこともありがたいことであります 瀬戸内海に面する岡山には鰆やままかり、蛸などおいしいお魚があることからお好みでいただこうかとも思いまいしたが、岡山を代表する郷土料理である「ばら寿司」をいただくことにいたします この「ばら寿司」 江戸時代に初代岡山藩主が発布した〝食膳は一汁一菜とする〟という倹約令に反発した庶民が〝ご飯の上に乗せても一菜は一菜〟と、祭りの日など特別な日にごはんの上に魚や野菜を乗せて食べたのが始まりであるとのことで、今でもお祭りやお祝いなど“ハレの日”に食べるお料理として愛され続けているのだそうです シャリの上に錦糸卵が被せられ、そこにひとつひとつ調味された浅利や蝦蛄、鰆、蛸、ままかり、穴子、海老などの魚介と、蓮根、えんどう、椎茸と野菜類が飾られる贅沢感ある一品でありまして... ほど良い甘酢が効いたシャリと浅利の佃煮やしっかりと味が染みた椎茸との相性が絶妙であるだけでなく、岡山のおいしいお魚を楽しむことができました 【吾妻寿司】 岡山県岡山市北区駅元町1-1 さんすて岡山 2F 086-227-7337

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