『うなぎのふじ井』 関西風と関東風 その何れかの焼き方を選ぶことかできる珍しい鰻屋さん
せっかく鹿児島に来ているのだからおいしい鰻をいただいて帰ろうと、地元の方に尋ねようとしたところ「松重でしょ」と食い気味に教えていただけましたので…開店時間を目掛けて伺ったのでありますが、なんと“定休日”のとの札が掛けられているではないですかそれで気を取り直し向かったのが『ふじ井』ってお店いずれのお店も大通りに面することもなく、住宅街に溶け込むようにあるのですが…お店へ着いた時には開店を待つお客さまが列を作っていまして、ちょっと心配したのですが、ギリギリ1巡目で坪庭を臨むことができるカウンター席をいただくことができましたこちらのお店では関東風と関西風の焼き方を選ぶことができるとのことですから「うな重」を“関西風”で焼いていただくことにいたします鹿児島の鰻屋さんで言う“うな重”とは、うなぎの蒲焼をお重で提供することを指すようで、多くの地域でいうお重に装われたご飯の上に蒲焼が乗せられるものとは異なるのでありますそのようなオンザライス的なスタイルを好まれる方は“うな丼”を頼まれるようで、鹿児島では“うな重”も“うな丼”も同じお値段であることが多いようですね待つこと30分ほど提供されたうな重は大隈産のうなぎが使われているとのことで、身が厚いうなぎが香ばしく焼かれています確かに“焼き”は蒸すことのない関西風ではありますが、“割き”は背開きと関東風きっと関東の鰻屋さんで修行された店主なのだろうと思いながらいただいたうなぎは身も厚いのですが皮も厚く、皮の腹が黄色味を帯びていることから天然物が使われているのでしょうか甘めのタレに負けないほどに力強い旨みをいただくことができましたそして肝吸いこちらも味噌汁との選択でありまして、些か肝入りの味噌汁には違和感を感じるのですが、鹿児島ではそれが一般的であるようですね隣に座っていた20代前半かと思える女の子ひとりで鰻屋にやって来ていることや、いろんな角度から料理の写真を撮っていたことからブロガーなのかなと思いながらも気にすることなくいたのですが…ひとしきり写真を撮り終えると、小さな声で「いただきます」と手を合わせたのであります今どきこんなにお行儀が良い子がいるのかと感心しますし、その食べ姿がうつくしいことやはりきちんとした所作を身につけるってことは人の価値を高めますね【うなぎのふじ井】鹿児島県鹿児島市荒田1-53-20 099-250-3235