ふーるずバー

2008/09/20(土)01:14

トイレきっかけの迷子

失われた時を求めて(68)

6歳の少年が、母親がトイレにいっている短い時間に 殺されるという事件が起きた。 場所は公園。 思い出したのだが、私も幼稚園くらいの時分に、 トイレきっかけで母親とはぐれてしまったことがある。 場所は、やっぱり公園。 あまりに幼い頃の事なので、自分ではよく覚えていないが、 インパクトの強い出来事だったのだろう、 親とか親戚から、ずっと「あの時~」と聞かされて育った。 トイレきっかけで母親とはぐれた私は、 その辺をウロウロして母親の姿を探していたが、 もはやその姿は「迷子」そのものだったのだろう。 公園のすぐ横が商店街だったこともあり、 親切なオバサンが、近くの警察署に私を届けてくれた。 交番じゃなくて、警察署だったことが、 この出来事を親・親戚にインパクトあるものにしたようだった。 警察署預かりになった私は、会議室みたいなところで、 ファンタ・オレンジかなんかを与えられ、 住所と名前と電話番号を聞かれて答えた。 まだ幼い子供が、住所、氏名、電話番号をしっかり 述べることができた、ということで、えらくホメられ、 この出来事は、私にとっては、けっこうポイント高いのだった。 私の中では、好奇心の旺盛な自分が、 つい勝手にウロウロしてしまったのだろうと思い込んでいたのだが、 最近母親と話ていたら、新たな事実がわかった。 トイレに行っていたのは、母ではなく、私であり、 母は、私がトイレに行っている間に、 近くのショップに移動してしまっていたのである。 なんという無責任な母親でありましょう。 今まで、私は、自分が「やらかした」とばかり思っていたのに。 こういう「実は…」的なことを、 母はずっとかくしていることが多く 本当に信用ならない女だと思う。 60代半ばになってから、ポロリポロリとボロを出す始末。 幼児がトイレに行っている間に、 その場を離れてウィンドウショッピングに行ってしまうなんて。 普通の母親じゃないよなぁ。 私の友人なんて、小学生の娘がトイレに行っている間、 入り口でずっと待ってるよ。 母が言うには「すぐそこの近くの店だった」から、わかると思った、 であるが、 律儀な性格の私は、もとの場所にいなければそれは「居ない」ってことだし、 よもや自分の母親が、自分を放ったらかしにして、 ショッピングに夢中とは思わない。 話していて思ったのだが、母はこの件について、 自分が悪いとはつゆほども思っていないようであった。 なんか、無性に腹立たしいのであった。 まぁ、事件と関係ない話であるが、なんとなく思い出したので。

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