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foot001

でら~ ムチャクチャだがね?

2002年12月24日クリスマス・イヴの日記(←イヴでも頭はサッカー!?)ここが変だよ日本人選手!の回想です。↓が日記の内容です。

 2002シーズン後期低迷したグランパス!
 ずっとまえの名古屋地元TVで名将ベルデニック監督が言っていた。

 日本人選手たちへの接し方にについて。
「欧州ではアグレッシブに接して選手にやる気を出させるが通例だが、日本人にそれをやると逆に選手が(動揺して?)監督に信頼されていないと思う事があるので、選手にミスを恐れてプレイが消極的にならないように「ミスをしても大丈夫だ!」ということを伝える」

・・・・・・・。
日本人選手って赤ちゃんでしゅか?と。

 さらに名将ベルデニックの話は続く
「コミュニケーションに関して日本で良い効果があると言われてる、選手達数人を食事に誘って、自分が選手を信頼している事を伝える。というのをやってみるかもしれない・・・」

・・・だれだそんなこと名将ベルデニックに薦めたのは?
グランパスのスタッフか?

それは日本の(グランパスの?)
            悪しき慣習なのではないですか?

 そういうことが必要なのだと誰が言うの?
※過去にグランパスは派閥問題?!で日本代表3人(大岩、平野、望月)が辞めさせられている。

 ベルデニックが名古屋で選手たちとのコニュニケーションに悩んでいたのが2nd低迷の原因だったのか、低迷したから悩んでいたのか。
------------------参考資料--------------------
 2001年7月25日
 J1名古屋は、名古屋市内のホテルでジョアン・カルロス監督(45)の解任とクラブ強化部の三浦哲郎スカウト(45)の新監督就任を発表した。新監督の契約期間は来年1月1日まで。 小宮好雄副社長(61)は「第1ステージは十分な成果がなかった。(前監督が)日本人の文化に踏み込めなかった部分もある。さらなる進化を遂げるため、今回の交代となった」と更迭の理由を説明した。
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・・・おたくらそしてまたも更迭は日本人の文化うんぬんですか?・・・
・・・その悪しき文化の方を更迭して国際化したらどうだ?・・・


 最近酒の付き合いウンヌンの季節になってきたのでもう一度この問題を。
 酒を飲む仲と派閥形成、公私混同、馴れ合いの関係。
”選手と監督の関係”は私たち一般人のそれとは違っていてください。お願いします。
 

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 私は以上の日記にて選手の弱い面、内向的に悩む日本人的なナイーブさの批判とグランパスというクラブの批判をやった。さらにそのグランパスフロントの影が以下からうかがえてしまう。
ここから下は《Number PLUS》2001年1月号 戸塚啓氏よりの転載です。
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徹底検証 名古屋グランパス 「真実」 文:戸塚啓


「2000年の始まりを告げる天皇杯では、鮮やかな勝ちっぷリを見せていた赤いチームを襲った激震。それは、第2ステージ開幕直後に起こった。大岩、望月、平野への突然の戦力外通告。シーズン半ばでの主力選手解雇は極めて異例だ。その真の理由は?チームの論理とは?今後も同じことが起こり得るのか?その判断は読者諸君にゆだねよう。だが、ここに書かれた事件は、ほんの氷山の一角なのかもしれない。」


 思いがけない電話連絡にも、大岩剛は比較的すんなりと事情を飲み込むことができた。
「朝早くて悪いんだけど、いまからクラブハウスに来てくれ」
練習は午後からだった。午前中の呼び出しは何らかの異常を意味する。だが、大岩には少なからず予感があった。
2日前の7月1日に行われたジュビロ磐田とのJリーグ第2ステージ第2節で、グランパスは1-5の大敗を喫していた。鹿島アントラーズとの開幕戦に続く黒星だった。第2ステージでの巻き返しを期すチームにとっては、これ以上ない最悪のスタートである。監督のジョアン・カルロスは、第1ステージから慢性的にストレスをためていた。黒星の増加とともに彼はピリピリとしたムードを漂わせるようになり、選手たちにかなりきつい言葉を浴びせていた。ポルトガル語のわかる呂比須ワグナーや石川康は、「とても日本語には訳せない」と顔を顰めるほどだった。ジョアンの言葉は、選手への助言や激励ではなく、非難であり、攻撃だった。
 そして、事件はおこる。ジュビロ戦のハーフタイムに「お前ら、俺をクビにしたいのか!」と激昂したジョアンは、試合終了後のロッカールームで「俺は辞める。あとはお前らでやってくれ」と辞意を表明するのである。
 試合終了後、豊田市のクラブハウスに戻った大岩ら遠征メンバーは、小宮好雄副社長に「ちょっと集まってくれ」と召集される。チームのバスには乗らず、ジョアンと車で戻ってきた小宮は「監督から辞意が出たけれど、クラブとしてはこのままやってもらうつもりだ。月曜日からまた練習が始まるから、その時にあらためて話をしよう」と説明した。小宮の説明が終わると選手たちはクラブハウス前の駐車場に集まり、「もう一度みんなで一生懸命やろう」と話してから帰宅した。
それだけに、たぶん監督の話をするんだろうと思いながら大岩はクラブハウスに向かった。遠征に行かなかった選手は混乱しているだろうから、チーム全員を集めて方向性を確認するんだろう-スケジュールにはなかった呼び出しを、彼はそう受け止めていた。
 クラブハウスにチームメイトの姿はなかった。小宮と取締役強化部長の小川幸司は、自分ひとりが呼び出された真意を測りかねている大岩にこう切り出した。
 「突然で申し訳ないけど、これからのチームにとって、君は戦力外だから。ウチとしてはジョアンにやってもらうということで、彼と色々な話をした結果、君は戦力外になった。移籍先はチームとして全力で探すから、いまはちょっと待っていてくれ」
 大岩はジュビロ戦に出場していた。出場停止の山口素弘に代わってキャプテンを務め、試合前にジョアンから「お前がしっかりまとめてくれ」と言われていた。シーズン途中で解雇されるには、どう考えても不可解なことが多すぎた。恐慌をきたす気持ちを必死に立て直しながら、大岩は言葉をつないだ。どうなってるんですか、どうしてなんですかと詰め寄った。だが、何を聞いても「もう決まったことだから」と言われるだけだった。小宮と小川は、5分足らずで席を立った。

 望月重良はなんとか自分の意志を伝えることができた。「他のチームでプレーする意思はありません。僕はグランパスが好きだし、試合に出られなくてもグランパスでやりたい。」と残留の意思を懸命にアピールした。だが、返答は大岩の時と同じだった。
 「フロントで話し合った結果、君たち3人は戦力外になった。クビではなくて監督に使う意思がない。君たちのことを思って、他チームに移籍して試合に出た方がいい」
 ジョアンが自分に不満を持っているのは、うっすらと感じていた。第1ステージではスタメン落ちや途中交代が何度かあったし、アントラーズ戦も後半開始直後に交代させられている。だが、監督の起用に不快感を表したりはしなかった。望月自身、プレーに波があると自覚していたからである。
 原因は、シーズン開幕前の故障にあった。香港・マカオ遠征に備えた日本代表の合宿で右ヒザを痛め、第1ステージは快方と再発の繰り返しだったのである。ジョアンからは手術をすすめられたが、大学2年からヒザの痛みと付き合っている望月は手術の必要性を感じなかった。ステージ終盤にはほぼ違和感なく動けるようになり、ハッサン?U世杯に参加する代表にも選ばれる。ところが、ジョアンは遠征参加に反対した。
 「行くな、休め。ヒザの手術をしない、でもモロッコには行きたいなんて、お前はわがままだ。チームのことをまったく考えてない」
 手術の回避については、チームドクターとフィジオセラピストにも相談していた。念のためにブラジルにレントゲン写真を送って確認もした。
 望月個人の判断ではなかったが、「第1ステージはケガ人が多かったから、監督は今度こそ万全の態勢で臨みたいんだろう」と、ジョアンの要求を飲み込んだ。

 次にジョアンと衝突したのは、アントラーズ戦のあとだった。オフ明けの月曜日にクラブハウスに行くと、彼と平野の練習着が用意されていなかったのである。
 用具係に聞くと「上から出すなと言われた」という。練習終了後、「パフォーマンスが悪い」というジョアンに「手を抜いているわけじゃない」と強調すると、「お前らの気持ちが伝わってきたら一緒にやらせる。それまでは別メニューでやれ」と指示された。
 このとき、パニック状態だった望月と平野をなだめたのが、たまたま練習場に来ていた小宮だった。彼は笑顔さえ浮かべながら「お前らにもっと頑張ってほしいというメッセージだろうよ」と話したものだった。

 それからわずか1週間、小宮の表情から笑みが消え、望月は突然の解雇を宣告された。

 大岩と望月から連絡を受けていた平野孝は、クラブから電話があった時点で自分にも同じ言葉が突きつけられると覚悟した。直接言われるとやはり相当にショックだったが、「なぜだ」という思いもあっただけに、
 「いきなり戦力外と言われても納得がいかない。ジョアンと話をさせてほしい」
と要求する。だが、小宮と小川は「動揺していると思うから、また明日来てくれ。今日一日じっくり考えてくれ」と繰り返すばかりだった。
 ジョアンとの関係で小さな傷はあった。第1ステージの開幕戦でケガをした平野は、「故障からの復帰が遅い」と何度も責められた。彼はジョアン監督就任以前から練習後の自主トレを日課としていたが、
 「そのトレーニングに何の意味があるんだ。俺たちが決めたことだけをやってればいい」と切り捨てられもした。
 「ストレッチの延長のトレーニングで、身体を維持するために、ケガをしないためには必要なんです」と訴えても、まるで聞き入れられなかった。
 監督の帰宅後にマシンに向かうと、翌日には「俺が帰ったあとにやってるらしいな」と言われた。

 ジョアンと近しいスタッフに、平野は監視されていた。
だが、第2ステージに備えた飛騨古川キャンプで関係性はかなり修復された。「よく頑張ってるな」と声をかけられたほどだった。6月17日に行われたセレッソ大阪とのプレシーズンマッチにも、スタメンで出場している。
 監督が神経質になっていたのは分かっていたし、それがチームの結果によるものであれば、自分にも責任はある。だからこそ平野は、監督を刺激しないように心がけてきたつもりだった。

 翌日は3人一緒に呼ばれた。フロントはあらためて「戦力外」を通告し、一切の理由を説明しようとしなかった。
 3人が解雇の理由を知ったのは、その日の夜だった。名古屋市内のホテルで記者会見を開いた小宮は、
 「監督の進める戦術について十分に理解できていない。これまでも指導してきたが残念な結果となってしまった」と経緯を説明する。当事者である選手たちにはじかに説明をせず、マスコミに向けて一方的にアナウンスしたのである。
 翌5日に行われたナビスコカップのジェフ市原戦後には、ジョアンが自らの正当性を主張した。フロントの留意で翻意した事実を明らかにしたあと、彼はこう語っている。
 「思うような活躍ができていないのが戦力外の理由のひとつ。日本代表として期待通りの活躍をしていない。もうひとつは態度の問題だ。他のスタッフやフロントもそう思っている。彼らは謙虚でないし、仲間もファンもスタッフもフロントも尊重していない」
 彼らがジョアンにたどりついたのは、ジェフ戦の翌日だった。「ジョアンと話がしたいんですが、山口さんから言ってもらえませんか」という
大岩の申し出を、キャプテンが聞き入れたのだった。
 「自分たち3人だけだと言った、言わないになってしまう」(望月)ので話し合いには山口も出席し、クラブからは小川と元ガンバ大阪で強化担当の松山吉之、ジョアンと通訳が出席した。

 口火を切ったのはジョアンだった。「こんな大きな騒ぎになる前に、どうして俺のところに来ない」と迫ってきた。ジェフ戦後に批判的な発言をしたものの、彼は
 「話し合いにはいつでも応じる」とも語っていた。
驚いたのは3人である。解雇を宣告された瞬間から、彼らは
 「ジョアンに会わせてくれ」と小川に頼んでいた
。3人の日本語がポルトガル語に翻訳されると、ジョアンは不思議そうな顔で大岩たちを見つめた小川は明らかに困惑していた
 およそ1時間の話し合いで、3人は「とにかくグランパスでプレーしたい」とジョアンに訴えた。選手全員の総意として、山口は「もう一度3人と一緒に戦いたい」という希望を伝えた。
 「お前らには期待していたんだ」と過去形の表現さえ使っていたジョアンの態度は、明らかに軟化している。
 「そうだな。こっちにも色々と言いたいことはあるけど、一生懸命やる気持ちがあるなら、また明日から一緒にやろう。でも、こういう問題があったあとにいきなりチームにいれるわけにもいかないから、別メニューでやってもらって、時期を見て一緒にやろう」そこまで言うと、ジョアンは「それでもいいか?」と聞いてきた。3人が同意すると握手を求めてきた。
平野は、「監督との溝は無くなったな」と安堵したという。望月は「これで練習には参加できる」という、素直な喜びが湧き上がってくるのを感じた。
 小川が動いた。
「ちょっと待ってくれ。これはクラブとして決まったことだから。副社長も含めてクラブと監督の間で話し合って決めるから」

3人と山口は部屋から出された。入れ替わるように小宮が入っていく。
話し合いを終えた小宮は練習中の選手を集め、
 「決定は変わらない」
と厳達した。
握手した事実を認めながらもジョアンは「クラブの決定に従う」というだけだった。彼らと山口が出て行ったあとの10分か15分で和解は差し戻されたのである。

 そして、7月8日の瑞穂陸上競技場で、グランパスはさらなる強行手段に出る。ヴェルディ川崎戦のキックオフ前に、サポーターに向けて事情説明を行ったのである。およそ10個の組織からなるサポーターズ・アソシエイション(SA)代表の関谷憲生は、7月4日の記者会見後に小宮から電話連絡を受けている。
 「3人を解雇することにしました」と報告された彼は、
 「それでJ2に落ちたらどうするんですか。こんなときに飛車角金をなくしてどうするんですか」と問いただす。
 だが、小宮が「落ちません」と断言したことで、SA内部に
 「ならば球団を応援しなきゃいかん」との意思統一が図られる。
 「私たちは名古屋グランパスエイトのサポーターです。極端な言い方をすれば、3人をとるかチームをとるかとなれば、チームをとらざるをえない。苦渋の選択でした」
 ゴール裏はフロント支持派が圧倒した。
「カルロス監督は3選手を含め各選手とのコミュニケーションを重要視し、個々のケアをしっかりしてきた。信頼できる監督でありいまの名古屋グランパスには必要不可欠だと判断しました。3選手は高い能力を持っていながら十分に発揮しようとしない怠慢プレーに加え、もっとも大切な秩序、規律を乱す存在だったということであります。良きリーダーであるべき立場の選手が、なぜ毎年のようにトラブルの
中心になるのでしょうか」
 小宮がゴール裏でマイクに向かう姿を、平野はテレビのニュースで観た。大岩も望月もテレビでその事実を知った。
 試合前のグラウンドで事情を説明することに強い違和感を覚え、虚偽としか思えない理由を並べられたことに激しい憤りを感じたが、やがて怒りは驚きから絶望へと変わっていく。事情を説明した小宮に、サポーターから拍手がおこったのだ。
 「クラブの発表がこのまま既成事実としてひとり歩きしてしまうのか」と大岩は思った。「こんな理不尽なことがあるのか。こんな世界がまかり通ってしまうのか」と平野は思った。悲しみ、嘆き、苛立ち、憤り。いくつもの感情が絡み合い、絶望が訪れた。
 「もう、精神的に耐えられない。もう、グランパスにはいられない」

選手は個人事業主だが、親会社と雇用契約を結ぶ労働者でもあると考えれば、企業の論理が優先される。彼らは本当に規律や秩序を乱す存在なのか。怠慢プレーをしていたのか。3人の周辺から聞こえてくるのは、クラブの説明とは明らかに違う
人物像だった。彼らのために心を砕くチームメイトがいた。話し合いに立ち会った山口だけではない。楢崎正剛や岡山哲也ら、複数の主力選手がマスコミを通じて不当性を表明していたし、どうやっても解雇が覆らないと分かったときには、「本当にごめん、何もできなくて」と力不足をわびている。ピクシーも動いた。かつてグランパスに所属し、彼らとの親交が深い中西哲生から連絡を受けた彼は、すぐに母国語のできる通訳を東京から呼び、フロントに彼らの残留を直訴している。
 「望月がキツいことを言って若手が萎縮しているという報道もありましたけど、それを理由に辞めさせたら若手も伸びない。黄金時代のヴェルディのほうがもっと凄かったんじゃないかとも思うし。京都に移籍したあと、カズが話してましたよ。『望月が後ろから非常に厳しいことを言ってくれる。だからチームが良くなるんじゃないか』って」グランパスの初代キャプテンで、現在は中京大学のコーチを務める沢入重雄は言う。
 3人にとって清水商業の先輩にあたり、大岩、望月とは筑波大学でも共にプレーした藤田俊哉は、「怠慢プレーなんて信じられない」と驚きを隠さない。
 「僕らが高校、大学で教えられてきたことで、監督の指示に従うとか全力でプレーするというのは、最低限よりもっと下のモラルです。試合で一生懸命やらない選手が、日本代表に選ばれるのかなとも思うし」クラブの説明に疑問を持つのは、中日新聞の小杉敏之だ。92年から95年までグランパスに所属した元Jリーガーの彼は、小宮が語った
 「再三にわたる指導」はなかったと言う。「小宮さんに言わせると、彼らは監督とぶつかるのが2度目だからと。でも、球団は田中孝司監督のときにあった強制送還以来、彼らに何回も指導してきたと説明してましたが、それはまったくない。むしろそういう関係になって、お互いに距離を置く感じだった」
ではなぜ、彼らは名古屋を去らなければならなかったのだろうか。3人にマイナスイメージを貼りつけるようなマイクパフォーマンスを、グランパスはしたのか。
 Jリーグ規約やクラブと選手が結ぶ統一契約書に基づけば、グランパスの解雇という手段は法律に抵触するものではない。Jリーガーは個人事業主だが、親会社と雇用契約を結ぶ労働者でもあると考えれば、そこで優先されるのは企業の論理である。あるJリーグ関係者が分析する。

 「企業としてのグランパスという視点でみると、組織の方向性を明確にするための、人事も含めた刷新だったんですよ。そうしたときに上司や取引先とトラブルがあった人材がリストラされるのは、一般企業では十分におこり得る。サッカー界の常識ではおよそ理解されにくいし、彼らは日本代表に選ばれたほどの優秀な人材ではあるけれど、才能があるがゆえの排斥人事というのも、企業ではいくらでもあるでしょう」
 そして、グランパスは企業の意向が強烈に反映されるクラブだった。小杉は言う。
 「昔から生え抜きを育てようとしない。トヨタからの人事であって、プロとして育ったサッカーマンでクラブを経営したいという人はまるっきりいないんですよ。幹部候補はいたんですけど、そういう人たちはみんな排除されていきました」
 これまでチームを去っていった選手たちに、平野はある共通点を見出していた。Jリーグの開幕の93年に入団した彼は、3人の中でもっとも長くグランパスに在籍した。
 「いままでの8年間を見てくると、ちゃんと発言している人、僕からみるとチームのことを思って発言している人に限って飛ばされちゃうんですよ。言う人はどんどん切られていく。すごく大事な戦力なのに、いなくなっちゃってたんです」

 突然の解雇通告から、もう半年が経とうとしている。今、彼らは何を考えながらプレーしているのだろうか。
フットボーラーとしてだけでなく、人間としての自分さえも否定されたあの夏ら、もう半年が経とうとしている。冬を迎えた彼らに、苦悩を浮かべていた当時の面影はない。
 「モチベーションは高いですよ。試合には出られなくて悔しいけど、そう思える環境なんです。本当に練習から違うんですよ。レベルが高いから。中山さんがガンガン言って、若いヤツにも容赦ないし。選手としては試合に出てなんぼなんだけど、いまはとても充実してるし、サッカーが楽しい」
 ジュビロ磐田の分厚い選手層のまえに、大岩はレギュラーをつかめないでいる。ハッサン2世杯でつかみかけた、日本代表の定位置も遠ざかってしまった。だが、「シーズンの最後までひとりで練習することも覚悟した」ことを思えば、状況は飛躍的に好転している。彼は来季もジュビロと契約を結ぶ予定だ。
 「あのままグランパスにいたら、自分の中でマンネリがあったかもしれない。毎年のようにポジションがあって、給料もそこそこもらえてた。名古屋にいたら当たり前のようにレールが敷かれていて、それに乗っかってたと思う。でも、いまは挑戦できる環境にある。名古屋のフロントに対しては怒りを感じてるし、納得もしていない。でも、サッカー選手としては絶対にプラスだったなと」
 京都パープルサンガのJ2落ちが決まってしまったことで、望月は新天地を求める決意を固めている。「海外でやりたい気持ちもあるし、優勝を狙える他のチームでやりたいというのもある」というが、いずれにしても、積極的な発言を行動に移すのは間違いない。
 平野は左足首の痛みを引きずっている。ケガの回復ではなく、ジョアンの信頼を取り戻すことを最優先にした代償だった。飛騨古川のキャンプで、アントラーズ戦後の別メニューで、彼は痛みを引きずりながら走り続けた。「ピーク時に比べたらまだ6,7割くらいですか。でも、マイナス思考にはならないし、本当に移籍してよかったと思いますよ。すごく新鮮で、ルーキーっぽかったですもん(笑)。長い目で
みて自分が成長していくために、通らなきゃいけない道だったんじゃないかって。いまはサッカーに飢えてるから、サッカーのためなら何だって犠牲にしてもいい」
京都パープルサンガに残留するのか。プロ入り3つ目の新天地を探すのか。平野の判断基準となるのは、「2002年のワールドカップで絶対にピッチに立つために、自分にとって最善の選択をする」ことだ。

 結局のところ、真実はいまも分からない。「あのサポーターへの事情説明でクラブとして言うべきことはすべて伝えた」という理由により、小宮はその後の取材を受け付けていない。今回も「丁重にお断りするように」というメッセージが広報から届けられた。

 だが、およそこんな見方で周辺の人物は意見の一致をみている。「ジョアンを招聘したのは小宮氏で、彼を更迭すると、氏は自身の失敗を認めることになる。だから、ジョアンが仕事をしやすい環境を作った。3人はスケープゴートにされた」と。Jリーグ開幕からグランパスを取材する地元紙の記者は言う。
「選手が何かを主張すると、それが正しいか正しくないかはグランパスにとって問題じゃない。主張したこと自体が問題なんです。トヨタという大企業から出向してきた人にすれば、Jリーガーは20歳そこそこの若造じゃないですか。末端の奴がいちいち主張してたら、組織がもたないわけですよ」


 今回の事件では、Jリーグ選手協会の存在がクローズアップされた。クラブに対する抑止力として、選手会が発言力や影響力を強めていかなければならないと言われた。Jリーガーが「個人事業主ではなくサッカーという産業の労働者である」(選手協会事務局長・上田浩)意識を持つことも求められる。フロントの意識改革と人材育成も急がれている。
 すべてそのとおりではある。だが、他ならぬグランパスの体質が改善されないかぎり、悲しい歴史は繰り返されてしまう。
 SAの関谷によれば、「サポーターが拍手をしたのは、これまで何があっても動かず、いつもしこりを残していたフロントが大きな決断をしたから」だった。
 「解雇には耳を疑うほどびっくりしたけれど、逆にそこまで考えたのかと。そこまで思い切ったことをやるのなら、これからはちゃんとやってくれるだろう」という多くのサポーターの願いが、拍手という行為につながったのだった。
 ところが、グランパスはなおも揺れている。12月5日、呂比須ワグナーが退団を表明した。第1回交渉で来季の年俸を提示されながら、2日後の第2回交渉でいきなりコーチ就任を要請され、呂比須が激昂したのだった。3人と同じように、何の説明もない引退宣告である。
 記者に囲まれた呂比須は言った。
「戦力が整いながら、なぜグランパスが勝てないのかが分かった。サッカーを知らない人がフロントにいる」

クラブの支配下にある選手は、契約という糸でつなぎ止めることができる。だが、サポーターをつなぎ止めるのは誰もが納得できる明確なビジョンであり、すなわちそれはフロントのクラブに対する愛情である。
再び活躍の機会を得た3人は、プレーで名誉を挽回することができる。謂れなき汚名を払拭するために、彼らはとことんまで自分を追い詰め、どこまでも頑張るだろう。
名古屋グランパスはどうするのだろうか。
(文中敬称略)
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 Jリーグクラブにもまだまだ問題が多いようだ。成績の芳しくない古いビッククラブほど企業支配の影が見えるのではないか?
私は企業色はあってもジュビロのフロントはサッカー馬鹿ぞろいで安心できるし、コンサドーレ札幌のサポーター向きのフロントの姿勢もとても評価している。生まれ変わったベルマーレ湘南の理念や理想も凄く良いし、Jリーグ理念の条文を信じたカシマも素晴らしいと思う。今後ともサポーターの厳しい目でクラブ経営幹部を観て行こうではないか。
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