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カテゴリ:随想
その休日、只野はいつものように家のパソコンに向かっていた。只野にしては珍しく、難しい文書を作成している。
愚息は横でTVゲームに真剣になっている。これもいつもの光景である。特に愚息その2が熱中している。彼は熱中すると立ち上がるので、彼の熱中ぶりはすぐわかることになる。 「オレテキニハナラン」愚息その2は突然叫ぶ。「オレ的には」などという言葉である。小学3年生の愚息その2にして、その言葉である。只野は思案を中断して、彼の方を見ることになった。 彼は闘っていた。状況は只野もすぐに理解した。 「オレ敵にはならん」 只野は納得した。しかし「オレ」という言葉を愚息その2から聞いたのは、只野の記憶では初めてのような気がしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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