壮年の森 放浪日記

2006/01/13(金)23:32

13日の金曜日

随想(420)

 その日の只野はそれを言いたいわけではなかった。しかし思い出すうちに、そういえば13日の金曜日だったと思うことになった。  まず通勤である。ちょっと遅れた只野は渋滞にはまるだろうと予想した。天気予報によれば放射冷却で氷点下になるとの話であった。  しかし、さあ渋滞だなどと構えながら運転していると、サッと通り抜けてしまった。いつもなら性根を入れて聞けるラジオを聴けなかった。アレッという感じであった。  ここに来て実は、只野の仕事も、大雪、風雪、波浪注意報ぐらいの状態であった。そう簡単に決着つくとは思ってなかった。しかしその日が締めきりの仕事があった。  案の定、仕上げては再構成という感じであった。しかしなんとか暫定的に関門を脱することができた。  とはいえ、只野にとって今年の13日の金曜日は、うまくいきすぎて不吉な感じになる日になった。

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