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カテゴリ:随想
「笑金(ワラキン)」というテレビ番組がある。「朝金(アサキン)」は、ワラキンとまったく無関係である。
トリノ五輪の女子フィギュアスケートが、起床前後に行われていることを、只野はすでに知っていた。しかし只野は、起床時間前後にそのことを忘れていた。 新聞を広げ、テレビに目をやったときには、日本人女子選手の得点が出されていた。アナウンサーの興奮ぶりから、うまくいったんだろうと只野はぼんやり思っていた。 次の演技も日本人選手であった。何となく恍惚の表情が印象的である。朝食のおかずとして悪くない。演技が終わり点数が出たとき、只野は恍惚の表情で食後のお茶をすすっていた。 最後のロシア女子選手が転び、日本人女子選手の金メダルが決まった。只野の脳裏には、なんとなく「朝金(アサキン)」という言葉が浮かぶことになった。 君が代を聴きながら、通勤の支度をするのも悪くないものである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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