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カテゴリ:随想
只野の愚息2は、国語がちょっと苦手である。宿題に手こずっていることが多い。
その日、プリントに書かれていた宿題は「俳句と短歌を1首ずつ作りなさい」というものであった。 例として「ふるいけや かわずとびこむ…」などと書かれている。しかし愚息2は、この「ふるいけ」でもう参ってしまう。もっともこのような言葉は現在使わない。 この俳句と短歌というものをどう説明するか。これが意外に難しい。「○○○○○に一つずつひらがなを入れて…」などと言うが、何とも当を得ない。 なんとか理解して愚息2が作った俳句は、 「えむさいず えるえるさいず えすさいず」 であった。 しかし俳句には、季節が入らないといけない。これを愚息2に伝えるのがまた難しい。 それでも何とか理解してできた俳句は、 「えむさいず えるえるさいず なつのよる」 であった。 只野はこの句が案外気に入ることになった。「夏の夜、あまりに暑いものだから思わず兄弟でジュースを買ったよ。ボクはLLサイズ、弟はMサイズだったよ。」ぐらいの解釈がちょうど頃合いである。 もっとも、その気に入った解釈を愚息2がしているとは期待していない。 しかしここで問題が生ずる。プリントの宿題には、秋にちなんだものと書いてある。夏ではいけないことになる。 それを愚息2に説明する。この説明もまた難しい。しかしその後、愚息2が考えた句は、 「えむさいず えるえるさいず あきのよる」 であった。 只野の気に入った解釈とはちょっとずれることになった。しかし、そんな夜もあるかも知れないと思うことにした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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