“なぜ”人は投資で失敗するのか?を解明
今回は、とっても素朴な疑問、つまり なぜ、人は株式投資で「損」をするのかについて、考えます。なぜ、損をするのか?その理由は、実は、 “銘柄選択”を間違えるからではなく、 “投資行動”にあるようです。ノーベル経済学賞を受賞した最新の行動ファイナンスでは、 この辺りをわかりやすく説明しています。 たとえば、以下のような面白いクイズがあります。 ---(Q1) あなたは、仕事で成果を上げました。 ご褒美として、会社から“報奨金”をもらえることになったのだが、 以下の二つの選択肢があります。どちらを選びますか? A 80万円もらえる B 100万円もらえる (ただし、15%の確率で1円ももらえない)(Q2)あなたは、ある仕事で失敗しました。 そのため、“罰”を受けることになりました。 以下の二つの選択肢があります。どちらを選びますか? A 80万円払う B 100万円払う (ただし、15%の確率で1円も払わなくてよい)---どうでしょうか?(Q1)では、 「A」 を選択し、(Q2)では、 「B」 を選択しなかったでしょうか?ところが、実は、合理的な意思決定とは、その逆で、 (Q1)では、「B」を選択し、(Q2)では、「A」を選択することです。理由は以下の通りです。 (Q1)の、「B」の価値は、100万円×85%=85万円であり、「A」の80万円より“有利” (Q2)の、「B」の価値は、▲100万円×85%=▲85万円であり、「A」の▲80万円より“不利” 以上のように、多くの人が、“実際”には、 合理的な意思決定ができません。なぜ人は間違った行動を選択をしてしまうのか?それは、「人は、“儲け”に対しては、“危険回避的”だが、“損失”に対しては“危険”を志向しやすい」という性質を持っているからです。 (Q1)では、“確実”に80万円を手に入れることのできる「A」を選択し、 (Q2)では、損を“帳消し”にできる可能性を持っている「B」を選択する要するに、我々は、とにかく 「後悔をしたくない」 と思っているのです。 だから、買い値よりも少し上がれば、利益を“確定”したいし、 買い値より下がっても、損を確定したくないので売らず、 ずるずると持ち続け損失を拡大させてしまうのです。このようなことを繰り返せば、利益は小さく、損失は大きくなりがちだから 長い時間の間に損がどんどんと膨らんでしまいます。ここでのポイントは、我々の儲けや損失の判断基準は、「買い値」をもとにしているということです。「買い値」に対して、利益が出ていれば、確実に利を物にするべく、早く売却する、 「買い値」に対して、損が出ていても、損を確定したくないという意識から売却を先延ばしにし、 下がりきったところで、売る、という行動にでる、というのが投資家一般的な行動パターンです。 (この場合の「買い値」を参照点という。) これに対する対策は、単純で、それは、「買い値」をベースとして、売買の意思決定をしないことです。では何を基準に投資をするのか?それは、「価値」と価格のギャップ (+ 株価上昇の“材料”)です。つまりバリュー投資です。バフェットをはじめとしたバリュー投資家が、 高い成果を上げ続けているのは、 結局のところ、投資家の「心理作用」をうまく“排除”し、 合理的行動へと導いているからではないでしょうか? (*)もっと、投資家心理について知りたい方には、 『最新 行動ファイナンス入門』がお勧めです。 (最後のご案内です!)さて、このたび、だドラゴン戦略的財務集団のメンバーが、 セミナーの再度開催のご要望にお応えして、 ようやく第三回目の株式投資セミナーの講師を務めることになりました!連日、日経新聞の一面を飾る企業再生ビジネスの第一線で活躍する 企業再生コンサルタントが、個人の投資家が、利回り30%を実現するための 手法を特別公開します。 投資は自分で学んでゆくもの。このセミナーでは、 通常の教室では味わえない驚くほどシンプル、論理的に、 一生ものの投資知識を、一日で楽しく学べるようになっています。この機会にぜひ振るってご参加ください。 セミナーのお申し込み詳細はこちらになります。 (*残り座席は、4席となっているようです。ご興味のある方はお早めにお申し込みください) ドラゴン戦略的財務集団の紹介する必殺の投資ノウハウ本集が役に立ちます。