2007/02/18(日)01:03
複利のウソと東京マラソン
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さて、今回は、題して「複利のウソ」です。
よく、こういう話を聞きませんか?
年率10%で100万円を増やしていけば、35年後には、2800万円!
複利の力ってすごい!
って、そりゃそうだよ。
だけど、年率10%の複利の正体とは何でしょう?
企業が、年率10%を得るためには、投下資本に対して、
10%を稼ぎ出す、しかも継続的に。
これはかなり大変なことです。
最初は簡単です。
1億円を投下して、システムを作って、1000万円の利益を上げます。
これならできるかもしれない。
でも次の年は、1億1千万円を元に、1100万円をつくらなきゃならない。
つまり追加された1000万円で、10%分の100万円分の利益を上げる必要がある。
かといって、前年と同じことをするわけにはいかない。
今度は、システム開発ではなく、人を採用して教育したり、ビジネスモデルを
作り上げていかなければならない。
単純に複利で10%づつ伸ばせばいい、というわけにはいかないのです。
複利でつみあがった分母は、その分の新たな分子を要求するわけで、
これは結構大変な話です。
このように考えると、複利の話は、理論と実践がかけ離れている気がします。
私は、ほとんどの場合、複利(ROE)は結果論だと思っています。
理屈や結果だけ見て、複利効果を声高に叫ぶのは間違っています。
しかし、中には、継続的に高いROEを達成する企業もあります。
たとえば、アスクル。
長期にわたって、きわめて高い収益性(すなわち成長性)を維持しています。
このような企業は、内部に常に投資対効果を最大化させるある種の“文化”とも
言えるものを作り上げているのではないでしょうか?
一時のブームではなく、拡大再生産のできる会社は、きっと現状では埋めきれない
大きなビジョンを持ち、高い知性を使って、常に投資効果を最大化させる意思決定を
繰り返す“慣習”を身につけているのかもしれませんね。
利益は、事業の成果であるとともに、次の成果の原資であるという健全な考え方。
企業は、永続的に社会に価値を生み出すべきであるという考え方。
それは、長い年月を経て、複利効果という大きな成果となって帰ってくるのだと思います。
「複利。複利」って経済評論家や投資信託のディーラーが簡単に言ってしまうけど、
本当はとっても大変な努力な積み上げなんだよー、と声を大にしていいたい
今日この頃なのです。
次回は、「市場は本当に効率的なのか?」です。
お楽しみに。
近┃況┃報┃告┃
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シェアーズの伊藤です。
明日18日は、東京マラソンですね。
私は自分が走るのも好きですが、テレビなどで応援するのも好きで、
明日を楽しみにしています。
ところで、自分を含め、多くの人は、タイムや順位だけ気にして、
走った後の選手の状態は、あまり気にしないですよね。
先日中級編セミナーがあったのですが、その中で、山口が、
マラソンのタイムや順位などをP/Lに、マラソンを走った後の状態を
B/Sに喩えながら、話をしていました。
P/LとB/Sの関係は、一見わかりづらいのですが、どういうことかというと、
「東京マラソンで、一生懸命走って、一等になったとしても、
それで足腰を痛めたら、次の日の仕事に差し支えるということ」です。
一等を取ったというのは、P/L
ゴールしたときの体の状態は、B/S
ということ。
多くの人はP/Lだけ気にして、B/Sを気にしないという話をしたのですが、
マラソンだけではなく、投資においても本当にそうだなぁと感じました。
マラソンだけでなく、会社においても、B/Sをしっかりみていきたいですね。
P/Lと、B/Sの本質。
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