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2009年05月19日
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ちょっと古い話ですが、日本マクドナルドホールディングスが
外食として初の売上高5,000億超というニュースがありました。
(以下、マックと略します。なお、関西の方はマクドと読み替えてください)

モスバーガーが1,000億ちょっとですから相対シェア5倍・・・

とは言いつつも、マックの損益計算書の売上は4,000億ちょっと。

このニュースで出ていた売上高との1,000億の差は、
どこから来ているんでしょうか?

マクドナルドの決算・財務分析


◆「売上」ってなんぞ?

マックの決算書を見ると、システムワイドセールス
(以下、SWSと略記)なる単語が出てきます。

このSWSの数値は5,100億円ちょっと。前述のニュースの
数値と合致します。

SWSとは、直営・フランチャイズ(以下、FCと略記)の
合計売上のことです。つまり、マックの看板のお店で、
みんながそれだけお金を払った、ということです。

ここでさっきの問題をもうちょっと正確にする必要があります。
つまり、SWSと損益計算書上における、数値の違い(1,000億)は
どこから来ているか?

答えは、ざっくりいうと、
損益計算書ではFCからの上納金だけを売上として計上しているため
ということになります。

ハンバーガー作って、人件費を払って、残ったのが儲け。
その濃い儲けの一部をロイヤリティとして、本部に納め、
本部(損益計算書)ではその額を売上として計上しているのです。

決算書の売上高4,000億円は、直営店舗2,674店の売上
3,600億円と、FC店舗1,072店の‘ロイヤリティ’400億円の
合計値です。(下で述べますが、正確に言うと、これに
「その他」の売上が加わって、4,000億円です。)

そして、5,100億円は、直営店舗の売上に、
FC店舗の‘ロイヤリティ’ではなく、‘売上’を
合算したものなのです。

売上を直販とFCからの‘上がり’だけでみるか、FCの売上を
含めてみるかの違いですが、紛らわしいことは確かです。



◆マック不動産

さて、実はその他にも、決算上の売上高とニュースで
言われていた額における中身の違いを産んでいるものがあります。

それは、FCのオーナーに対する店舗売却収入です。

マックは豊富な土地を所有していることから、
その実質はハンバーガー屋ではなく、不動産だ!
という指摘をされたことがありましたが、
損益計算書だけを見ると、「本当に不動産屋さんでした。」
ということになります。

ただ、その額は43億円で、損益計算書上の
売上の1%ちょっと。そこまでの大きな影響はないでしょう。
(とはいえ、これは売上でなく特別利益に持ってきたほうが
良いのでは・・・? と個人的には思います)。



◆まとめ

ここまでの教訓をまとめると次の2点でしょうか。

1.定義に注意
(有報の【財政状態及び経営成績の分析】なども
細かく見ていきましょう)

2.恒常的なものと、一時的なものを峻別すること
(店舗売却収入とハンバーガーの売上は性質が異なります)


財務諸表は、会社によって違います。

同じようにFC経営を行っている会社でも、マックのように、
FCのロイヤリティだけを売上として計上する会社もあれば、
FCの売上をまるごと計上する会社もあります。

売上の内容も、現金なのか、売掛金なのかで重要度合いも
違うでしょう。掛売ばかりをたくさんやってしまうと
回収リスクが高まります。

そして、その売上の“安定性”も大事。
顧客が固定されているインフラ系の事業なのか、
一見さんばかりの居酒屋なのかでは、その意味合いも
変わってくるのです。


大事なことは、「売上」という言葉だけに縛られないこと。

その「意味」は千差万別であり、しっかりビジネスの特性を
捉えた方が実は本質がわかるということなのです。

「数字をみないで、企業をみて、数字を想像してみる」
有報を見て考えるのでなく、考えて自分の導き出した結果の
‘答え合わせ’として有報をみるようになると、きっと別の
世界が見えてくると思います。

マクドナルドの決算・財務分析






最終更新日  2009年06月29日 15時54分56秒
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