マクドナルド【2702】の"売上"はどうなってる?!
前回に引き続きマクドナルドの企業分析をお届けします。前回はマクドナルドの損益計算書(PL)上の"売上"は、普通の売上とちょっと違うぞというお話をしました。売上を直販とフランチャイズ(FC)からの"上がり"だけでみるか、フランチャイズ(FC)の売上を全部含めてみるかの違いです。※後者:システムワイドセールス(SWS)だから定義に気をつけましょう、というのが前回のメッセージの一つでした。さて、今回は“売上”です。普通に"売上"というと、「店舗あたり売上×店舗数」で計算できますね。では、システムワイドセールス(SWS)が増えているマクドナルドの"売上"は、どうなっているのでしょうか?まずは店舗数をみてみます。06年12月末に3,828店だったものが、08年12月末には3,754店。なんと、純減です。マクドナルドのシステムワイドセールス(SWS)増は、店舗数の積み上げによるものではなく各店舗の売上増によるもの、ということだとわかります。そして、上記店舗の内訳を見ると面白いことが分かります。06年12月 3,828店(直営 2,832店、FC 996店)08年12月 3,754店(直営 2,166店、FC 1,588店)FC:フランチャイズ直営からフランチャイズ(FC)へと比重が移っています。さてフランチャイズ(FC)比率の増加で貸借対照表(BS)はどうなっていると思いますか?単純に考えれば貸借対照表(BS)の有形固定資産が減っていることが考えられます。そう、この有形固定資産とは、「マクドナルド不動産」です。ところが実際の有形固定資産は減っていません。マクドナルドの決算・財務情報はコチラそれどころか有形固定資産の額は大きくなっています。つまり、不動産として売った以上に投資をしているのです。具体的には24時間対応や厨房施設の更新などです。それにしてもマクドナルドのBSは余分なものが少なくて良い感じですね。