大使が蔵書録作成を思い立ったのは、アマゾンが広く充実したデータを持ち、グーグル検索との連携もよくて、蔵書録作成を快適に補佐してくれるだろうと思ったせいでもあるのです。
あと、気になるのはせっかく作った蔵書録のデータをアマゾンはいつまで保存してくれるのか?ということだが・・・・・まだ先のことだし、ま いいか。
スマートフォンや電子書籍の販売合戦が本格化する昨今であるが・・・アマゾンCEOのジェフ・ベゾスさんが朝日のインタビューで「我々が提供したのは選択肢。押しつけはしない」と説いているので、紹介します。
ジェフ・ベゾスさんへのインタビュー
<歴史揺さぶるIT革命の巨人>
(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、5/12朝日の「フロントランナー」から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)
世界最大のオンライン書店を育て上げ、クラウドコンピューティング・ビジネスを開拓し、電子書籍端末「キンドル」で電子書籍市場を一気に立ち上げた。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスと並ぶIT革命の旗手の一人だ。
この人に是が非でもしたい質問があった。紙の本と電子書籍の原理的な違いが、社会に与える影響について、だ。
話は2009年7月中旬の「事件」にさかのぼる。
電子版『1984』『動物農場』(オーウェル著)を購入した人のキンドルから、この2冊が突然消えた。販売権のない出版社が謝って売り、販売停止に。その際、データも遠隔操作で消された。買った本が棚からなくなる――紙の本ではあり得ないことが起きた。アマゾンは謝罪、電子書籍の課題も鮮明になった。
独裁政権が生まれたら、都合の悪い本の回収や改変も可能になる。電子化を進めるなら、備えも必要でないか――意気込んだ質問への答えはシンプルだった。
「民主国家ではまず起きない心配でしょう。私たちが提供するのは選択肢です。紙の本を望む人は紙を買える。電子版限定の本も受注印刷に対応している。それでも電子版が伸びているのは便利さゆえでしょう。『1984』のミスは繰り返しません」
Q:書籍販売から始まったが、最近は家電や食品、ファッションと扱うジャンルが広がっている。
A:イエス!欲しいものをオンラインで簡単に見つけて買い、すぐ届く。世界最大の豊な川の名のとおり、最大の品ぞろえをするのが我々のビジョンだ。
Q:顧客満足度の追求が成功の鍵だったと思うが、その内容は?。
A:第一は欲しい商品を見つけられること、その意味で品ぞろえは大変重視している。品がなければそもそも見つけられない。次はレコメンド(おすすめ)機能などで、見つけるのを容易にすることだ。
発送のスピードも重要だ。「もっとゆっくり届けてくれ」なんて言う人はいない。日本は物流が発達しており、世界でも最も早く届けられる国だ。アプローチは国によって違い、中国では自前の自転車配送ネットワークを作り、自分たちで届けている。
Q:2月、仙台にもカスタマーサービスセンターを開いた
A:今回の来日の目的の一つが仙台のセンター訪問だ。被災地にも足を運び、多数の子どもたちが亡くなった学校にもお邪魔した。被災地の厳しさが伝わってきた。
Q:話題の電子書籍だが、日本での参入は?
A:「今年の動向を楽しみに」というのが今は精いっぱいだ。
Q:キンドル版『1984』のデータが持ち主の知らぬ間に消去された例に見るとおり、クラウド型電子書籍は、購入済みの本を消したり、中身を改変したりすることが容易にできる。例えば政府が弾圧して、都合の悪い本の消去や改変を求めたら、はね返せるか?。
A:『1984』の件は大きな判断ミスで、厳しい教訓になった。ただ、指摘の重要さはわかるが、民主国家では、現実問題としてなかなか起きにくいだろう。同じ技術を前向きに考えれば、内容に誤りがあった場合、電子書籍は後から訂正しやすいといえる。
Q:訂正する場合、利用者への告知は?
A:もちろんしている。訂正があることを通知し、反映するかどうか、利用者が選べる仕組みだ。
Q:クラウド型電子書籍は客の本棚を預かっているのと同じ。従来の物販という売り切り事業とは異なり、長期保存の責任を負う。その点については?
A:先行した音楽のダウンロード販売を見て、問題点に気づいた。再生機やデータをなくしたり壊したりしたら、おなじ曲を買い直さなければならない。これは望ましくない。そこで、キンドルを紛失しても破損しても、本を買い直すことなくずっと読み続けられるようにと考えたのが今の方法だ。
Q:アマゾンとキンドルが存在する限り読めるのはわかる。だが紙の本は出版社が倒産しても手元に残る。紙と同様に内容を百年単位で残せるのか非常に気になる。
A:私は残せると思っている。電子書籍は今後さらに改良され、安定していくとという感触を持っている。百年単位なら著作権も切れていくので、権利が切れたものから自由に読めるようになるだろう。
我々が提供したいのは選択肢だ。押しつけはしない。それが最も重要な点だ。紙の本を選びたい人は選べるし、実際、紙の事業も好調だ。
Q:音楽ダウンロードではDRM(著作権保護技術)をかけないものが売られ始めている。電子書籍でのDRMの扱いは?
A:出版社に決めてもらうというのが我々の立場だ。海賊版を警戒する出版社はDRMをかけるし、なしでいいという出版社もある。
Q:クラウドコンピューティングについて、物流の会社が、なぜこのサービスを思いついたのか。
A:(身を乗り出して)社内のネットワーク部門とアプリケーションソフト開発部門のエンジニア同士が、あまりにもたびたび綿密な打合せをしているのに気づいた。互いの部門のデータの受け渡しが複雑すぎるのが原因で、非常にまずいと思った。そこでやりとりがスムーズにできるようルール(API)を作った。他のウェブサービス事業者も同じ悩みを抱えるようになると予想できたので、外部の企業に提供できるようさらに整え、サービスを立ち上げた。
クラウド技術によって、従来は設備投資の対象だったインフラ費用が、時間単位でレンタルできる変動費に変わった。ビジネスとして非常にうまく行っている。
Q:今20歳前後の若者だとしたら、どんな分野を目指すか。
A:いい質問だ。今とてもエキサイティングだと考えているジャンルがある。バイオテクノロジーだ。
例えば太陽光をエネルギー源に微生物で合成油を作るなど、生物の力を利用してクリーンなエネルギーを作る道が、人類史上初めて開けはじめていると思う。もともと生物は、酸素という副産物を出しながら二酸化炭素を木材にするという不思議なこと(光合成)をやってのける。その能力を活用できる入り口に来たのではないか。専門家でないので詳しいことは分からないが、自分が今から専攻を選ぶなら、この分野だろう。
Q:一番楽しいと思う時は?。
A:ブレーンストーミング。さまざまな人と会い、いろいろな方向のアイデアを出すことだ。公私問わず、問題解決が一番楽しい。
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「変化を自分で作りたい」 村上龍氏が出版社と組まずに電子書籍を出す理由が興味をひきます。
この記事も
朝日のインタビュー記事スクラップに入れておきます。