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2012.07.10
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カテゴリ:歴史
ますます傍若無人になる中国の海洋アクセスなるエントリーが出るほどに・・・・
尖閣問題で、日中関係の傷口が開いた昨今ですね。

中国
      中国のシーレーンへのアクセス

可燃性ガスのようなナショナリズムに火をつけて大火事にするのはたやすいが、その可燃性ガスをうまく取り扱うのが隣国と付きあう際の知恵なんでしょう。傍若無人(に見える)の隣国に、どう対応すればよいのか?

そのあたりについて、日中の外交通の鼎談“日中40年「傷」拡げぬために”が7日の朝日に載っていたので・・・・
それを読んで頭を冷やそうと思ったのです。

<日中40年「傷」拡げぬために>より
T:趙啓正(全国政治協商会議主任)
M:宮元雄二(前駐中国大使)
W:若宮啓文(朝日新聞主筆)
(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、7/7朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)


<尖閣「棚上げ」で国交開けた:趙>
W:国交が開かれて40年。山あり谷ありでしたが、最近の世論調査では互いのイメージが最悪。尖閣諸島の争いが大きいですね。

T:田中内閣の官房長官だった二階堂進さんに聞いた話ですが、田中角栄首相は訪中前に「尖閣問題を話さなければ国民に説明できない」と言っていた。しかし周恩来首相にそれをぶつけると「その話をすれば正常化できない。これは少し置いておこう」と言われて同意した、と。

W:そんなやりとりは首脳会談の記録に残っています。さらにトウ小平副首相が1978年に来日して「棚上げ」を表明しました。

T:それで双方が一致しているのなら大変喜ばしい。

W:田中首相は異を唱えなかったが「わかった」とも言っていないので、日本政府は「棚上げ」は合意でなく「領土問題は存在しない」との建前を貫いてきました。

T:この問題を脇に置くことで国交を開いたのは事実。上の世代の勇気や英知は覚えておくべきです。

M:日本の立場は正しいし実効支配もしているので「領土問題が存在する」とは認めにくかった。しかし外務省で20年も中国関係をしてきた私が、この問題で相当に時間をとられたのは事実。呼び方はどうあれ問題はあったのです。

W:一昨年9月に中国漁船が海上保安庁の船に体当たりし、船長が逮捕されました。背後に何らかの力があったのでは。船長を英雄視する向きもあったし、中国政府はすごく高飛車でした。

T:事件を聞いて、なぜ小さな船が日本の大きな船に、とちょっと理解ができなかった。船長はあまり知識がなく国際法の認識もなかったと思う。もし中国政府が仕向けたなら愚かだが、そういうことはないし、英雄でもない。しかし日本政府が逮捕したとなると中国政府が対処するのは当然。日本が国内法に基いて処理を宣言したのは、日本の領土だと言われるのと同じ。もとより紛争地域なのだから、日本の国内法での処理は受け入れられない。漁船をめぐる事件は何度も起きていたが、こういう対処はそれまでなかった。

M:90年代に中国課長をしてましたが、尖閣は日本領土だという明確な立場の一方で、我々の基本的な姿勢は現状維持。日中双方が行動をとらなくてもいいようにという暗黙の了解のうちに、双方の外交当局は協力しあっていました。ところが90年代後半から現状維持への挑戦が双方から起きてきた。日本には中国の行動が実効支配への挑戦だと映り、中国側には日本の行動が強硬になったと映ってエスカレートした。

W:日本側では右翼団体が灯台を建てたりしましたね。

M:僕らは灯台を建てさせないように動いた。しかし、そういう現状維持の外交努力が双方で「軟弱だ、なぜ立場を強固にしないのか」という国内からの批判につながってしまった。一昨年の事件は双方のいろいろな状況認識の不正確さによって、お互いに間違った措置をとってしまったと思う。

W:日本の領土だから国内法で処罰するというのは、日本人には通りやすい話でした。

M:しかし、そうすれば間違いなく重大な外交問題になる。

W:政権も代ったばかりだったし判断が甘かった、と。

M:そうですね。対する中国側は「日本が仕組んでああいう事件を起こし、国内法を初適用することで実効支配を強めようとしている」と受け取ったのではないか。

W:中国が領有権の主張を始めたのは70年以降ですが、絶対に曲げられないのですか。

T:変えられない。両国の専門家はそれぞれ歴史的な詳細や証拠についてメディアに公開する形で意見交換をしてもいい。

W:記録によると周首相は田中首相に「石油が出るから問題になった」とも話しています。その前に訪中した公明党の竹入義勝委員長には「共同開発がいい」とも。実は田中さんも同じ考え方だったようです。もし首脳会談で周さんが「将来は共同開発で」と言えば、田中さんは乗ったかもしれません。

T:トウ小平さんは79年5月に訪中した鈴木善幸さん(のちの首相)に「主権の問題にかかわらない前提なら、釣魚島(尖閣)付近の共同開発をしてもいい」と言い、6月には外交ルートで資源の共同開発構想を提起しました。紛争を「棚上げ」して共同開発という考え方です。

W:その発想は今も生きていますか。最近は軍事的な文脈で領海拡張に頭が行っていて、それではおさまらない印象があります。

T:トウ小平さんの言葉でもあり、軽々しく放棄することはない。

M:いまも中国の公式見解だと思います。しかし同時に中国の軍事力、とりわけ海軍力が強まっていて自然に外に出てきている。軍事上の必用と資源上の必要で、あれだけ調査船が出てきたのでしょう。

<行動には反作用伴う:趙>
W:東京都の石原慎太郎知事が「尖閣を購入しよう」と言い出して中国が猛反発しています。

T:石原さんはパフォーマンスにたけた人。連続ドラマみたいで、島に関する一幕以外にパンダについての一幕もある。次にどんな一幕が出てくるのか。

M:はっきり認識した方がいいのは、尖閣の領有を日本が確信しているからといって、中国と「紛争はない」というのは事実を見ていないということ。「紛争になっても話し合わない」ではすみません。「話し合ったら領土問題があると認めたことになる」では処理しきれない。

T:私たちに必用なのは、我慢しつつ耐えながら長期的な視野にたった知恵を出していくこと。それを踏まえた対話がとても重要です。

W:尖閣に自衛隊を置けとか勇ましいことをいう人がいます。

M:尖閣問題はさらに危険水域に入った。日中の両方で強硬な声がどんどん高まっている。一方が何かをすれば相手は対抗せざるをえない。そうならない知恵が必要です。

T:作用があれば必ず反作用がある。だからアクションをしてはいけない。中国では島に上陸しようという民間人たちに勧告し、制止しています。そんなことをしたら日本側のより大規模な上陸を招きかねない。

W:それは朗報ですね。ところで、この40年間に貿易量は300倍以上、人的交流は500倍にも。

M:そういう大きな文脈を忘れてはいけない。我々は巨大な共通利益を抱えており、これからの外交は個別の問題が全体に影響を及ぼさない仕組みにしなければ。それほど日中の共通利益は大きいのだと、より多くの国民に理解していただき、そこから個別の問題を見ていくことが大事です。日本は中国にGDPで抜かれたという気分も克服しないと。

T:中日関係の困難は今後もしばらく続くかもしれない。しかし中国人も日本人も大変すばらしい民族で知恵に富んでいるから、いつまでもゴタゴタ争い続けることはないと思う。毛沢東もトウ小平も日本民族は偉大だと言っていますし、周さんは日本に留学の経験もあった。いま中日双方には互いの留学生がたくさんいて知日派や親中国派となっていく。その役割は大変大きい。中日は最終的に必ず前進し、新しい友好関係に進んでいくと確信しています。

M:世界中、隣国同士で仲がいいところはないんです。だから我々は冷静で客観的な目標を持つべきです。中国は口げんかしても友人は友人。フランス人とドイツ人は今も悪口を言い合うが、重要なところではがっちり手を握って欧州を引っ張る二つの車輪。日中もそういう関係が現実的な将来像でしょう。

T:中国の昔話ですが、雁が空を飛んで行くのを見て二人の狩人が話し合う。「この雁を射落としたら、どうやって食べよう」。ああだこうだと言い合っているうちに雁は飛んで行ってしまった、と。世界には中日に共通のチャンスが多いのに、互いにいがみ合っていたらチャンスを逃がしてしまわないか。

W:中国の人は日本に「歴史を忘れるな」とよく言います。まさにその通りと心の過ちを中国が犯してしまわないかと心配にもなります。軍の強大化、ナショナリズムの高まり、あるいは戦後日本の公害であるとか経済成長による傲慢さとか。

T:日本側から中国に大国化しないでという声を聞きますが、私はこれに反感を覚えません。これは中国に対して注意を促す言葉だととらえているからです。

<「大同につく」精神取り戻そう:若宮>
 田中角栄首相と大平正芳外相が北京に乗り込んだとき、中国では毛沢東主席が健在で、教条的な文化大革命も終わっていなかった。首都北京ですらネオンどころか夜は真っ暗で、女性のおしゃれなど考えられなかった時代である。
 政治体制も社会の発展ぐあいもまったく異なる隣国どうしの握手は、日本の侵略の過去にけじめをつけ、両国の関係を開くだけではなく、アジアや世界の発展に寄与しようという目的だった。「小異を残して大同につく」(周恩来首相)の精神で歴史の歯車を回したのだ。
 だが、40年の歳月を経て国際環境が大きく変わるなか、中国は軍事も経済も急成長。日中関係はずっと濃密になったのに、「平和友好条約」を結びあったことも忘れるほど最近はささくれがちだ。
 そんな危機感に包まれて今月はじめに開かれた「東京-北京フォーラム」では、元首相の福田康夫氏が「小異が大同を振り回してはならない」と呼びかけ、明石康・元国連事務次長も「偏狭なナショナリズム」に警鐘を鳴らした。だが、驚くほどだったのは中国側の共鳴ぶり。曾培炎・元副首相は40年前の原点に返れと唱え、外交家の呉建民氏らも「視野の狭いナショナリズムやポピュリズム」の危険性を訴えた。中国でも不安がつのっているのだろう。
 幅広い「公共外交」が持論の趙氏は、わざわざ持参した「呉越同舟」の絵を宮本氏らに贈った。敵同士であっても、波風にあえば沈まぬよう協力して仲良くなる。それが孫子の言葉の真意だという。
 論議はお読みいただいた通りだが、双方に高まる感情論のなか日中は大人の振る舞いを取り戻せるかどうか。政治家はもとより、メディアがこれほど問われる時もない。

趙さんは、かなり柔軟で未来志向の見識を披瀝してくれたが・・・
中国共産党中枢や人民解放軍はどうなんでしょうね?

どうですか?・・・頭は冷えたでしょうか? 冷やすしかないんだけど。






Last updated  2012.07.10 00:30:10
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