30日報道によれば、トヨタ労組が今年のベースアップ要求を出さないと決めたそうです。。
これは、もう春闘という日本的な風物詩の終焉ではないだろうか?
ビル・トッテンさんが、春闘を推進するような大手の組合そのものに対して疑問を呈しています。
大企業の組合はこれまでのような認識では生きて行けないことを、自戒すべきなんでは?
デフレ脱却を目指す安部政権下で春闘が始まった、結果は多くの人の賃金に影響するが、非正規労働者など、賃上げに縁の無い人もいる。春闘は私たちの暮らしを豊にできるのか。
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ビル・トッテンさんが朝日オピニオンで「組合いらぬ会社が理想」と説いているので、紹介します。
(デジタル朝日ではこの記事が見えないので、1/30朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)
春闘ですか?私は来日して43年半になりますが、後半にあたるこの20年間は、春闘は世間で大きな話題になっていないような気がします。
私が日本で会社を立ち上げた1970年代から80年代にかけては、労使が激しくやりあって、春闘も注目の的でした。強かった組合は賃上げを勝ち取っていました。
しかし、経済が失速し「失われた20年」と言われている、この期間は逆です。組合は弱くなり、経営者の意見ばかりが通っているように思います。
日本は終身雇用制度を中心とした家族的な雇用形態を守るべきでした。それが、日本企業の強みだったからです。しかし、米国式の能力給や雇用の流動化を目指した。っそのため労組は弱体化し、優秀な労働者が切り捨てられることが起きて、企業の元気もなくなったのです。
経営者がそこで働く人を本当に大切にしていたら、労働者は組合を作る必要はありません。理想論かもしれませんが、春闘なんてなくなるんです。
家族的経営を掲げている従業員830人ほどの私の会社では組合はありません。従業員に「組合つくったら」と言ったこともありますが、必要ないようです。実際、我が社は2000年代に入って大きな組織改革をしましたが、ボトムアップで意見が出て実行できました。
今、多くの経営者は株主の方ばかり見て、目先の利益ばかり追い求めています。そして、簡単に利益を出しやすい、給与カットかリストラに走る。国や社会に奉仕するという理念を持つ創業者があ去り、サラリーマン社長ばかりになったから、昨今はなおさらこの傾向が強い。
しかも、これからもっと労働者には厳しい社会が来るかもしれません。安部信三首相はアベノミクスと言われる経済対策を掲げていますが、消費税増税でさらに景気が冷え込むでしょう。
日本全体の景気が落ち込めば、我が社の利益も減ってしまう。私の給料も減額する。また、中長期的に考えて、エネルギーを浪費し、ゴミを出す経済自体が続くとも思えません。
だから、私は自分を守るため、自給自足に近い生活ができるように動いています。窓の外の庭を見て下さい。かつてテニスコートだったところを手入れして、ネギ、ニンニク、大根などを植えています。蜂蜜も採取するし、昨年からは鶏を飼い始めました。かなりの食料をまかなえます。
我が社では06年から、家庭菜園用の農地を借りる社員に年間2万円を補助しています。全社員の一割ほどにあたる80人ほどが利用しています。彼らは本気ですし、私も「晴耕雨読」の生活を続けていきます。
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