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2023/01/09(月)02:22

『60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳』2

気になる本(3678)

図書館で『60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳』という本を、手にしたのです。 ウクライナ侵攻で吹き荒れる昨今、領土問題の変化を見てみようと思うのです。 【60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳】 関眞興編著、山川出版社、2021年刊 <「BOOK」データベース>より 植民地の独立、地域紛争、宗教戦争、交通網の発達ー新旧の地図を並べて現代世界の変化を体感する!国名、領土の変化にまつわる事件や戦争、領土問題、民族問題などを地図の変化とともに解説、現代史への理解も同時に深まる。変遷がひと目でわかる国名一覧付き! <読む前の大使寸評> ウクライナ侵攻で吹き荒れる昨今、領土問題の変化を見てみようと思うのです。 rakuten60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳 中国の発展に伴って進行する周辺との摩擦を、見てみましょう。 P28~29 <東アジア> ■香港・マカオ返還と経済特区の広がり  60年を隔てる2つの地図で、香港とマカオに(イ)と(ポ)の字がなくなった。地図上では小さな変化だが、特別に注目される変化である。  香港とマカオは、19世紀の末にイギリスとポルトガルが、それぞれ99年間を期限に租借していた。その期限が切れ、1997年に香港が、99年にマカオが中国へと変換された。中国にとっては、帝国主義時代の屈辱が清算されたことになる。  また、現在の地図で、香港とマカオの近隣、珠海と深〇にはピンク色にマーキングされているのがわかるだろうか。海岸沿いに東に上がると仙頭や厦門、南方の海南島にも同じマークが付いている。これらは社会主義市場経済のための拠点として、経済特区が認められた都市・地域である。  66年以降、毛沢東の指導する中国は文化大革命という大混乱に陥った。79年、毛沢東の死とともに権力を握った鄧小平は、改革開放政策を開始。社会主義市場経済という名の資本主義経済を採用した。外資の導入も積極的に行われるようになり、中国経済は一挙に開花した。21世紀に入るとアメリカに次ぐ世界第2の経済大国にまで発展する。  最初は南方に集められていた経済特区だが、やがて各地に経済特区に準ずる経済技術開発区が設置されていった。現在の地図で青く囲んだ都市が、沿岸沿いだけでなく内陸にも増えていることがわかると思う。このような経済政策により、中国は「世界の工場」といわれる大生産国家になっていったのだ。 ■経済発展に伴い交通網が発展  資本主義の発展は、ヒトやモノの動きを活発にする。そのための交通インフラの整備も不可欠になる。中国では帝国主義時代に進出してきた列強によって競って鉄道が敷設されてきていたが、1949年の中華人民共和国の設立後に国有化され、路線の拡大が行われてきた。改革開放が始まった70年代末以降、その動きは加速し、現代では高速鉄道網の整備も進んでいる。 (中略)  さらに、経済発展のためにはエネルギーが不可欠である。エネルギー源では石炭・石油のような化石燃料はもちろんだが、近年では太陽光発電・風力発電・原子力発電も行われている。現在の地図で注目されるのが「ダム」だ。水力発電だけでなく、治水・灌漑でも大きな利点がある。これもやや細かい数字ではあるが地図上に30ヵ所ほど見つけることができる。 ■周辺国との摩擦進む中国化  中国の領土は、北は東北部(かつての満州)から内モンゴル、西は新疆ウイグル自治区やチベット自治区、南部は雲南省を挟んで、広西壮族自治区と非常に広い。広い領土は戦略上も重要であり、それぞれの地域の開発も積極的に行われている。青蔵線の建設や蘭新線の輸送力の強化はその一環である。  しかし、このような中国の積極的な拡大策は周辺国との摩擦を起こす。チベットの場合、西方と南方でインドとの領土問題が生まれている。  一方で、ソ連崩壊によって誕生したトルキスタン(西部中央アジア)諸国との関係は良好だ。中国は一帯一路という政策を打ち出しており、これは現代版のシルクロードともいえる。また北アジアのロシアとの境界も、以前はもめていたが現在では最終的決着が付けられた。  こうした中国の外周部には、多くの少数民族が居住している。彼らの中には中国による支配に反感をもっている者も多く、中国は近年「中国化(漢化)」という締め付けを強化している。 『60年前と現在の世界地図 くらべて楽しむ地図帳』1:ロシア周辺

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