カツラの葉っぱ 大好き!

2024/04/25(木)00:12

『人間の未来 AIの未来』1

気になる本(3671)

図書館で『人間の未来 AIの未来』という本を、手にしたのです。 おお 山中伸弥先生の対談が出ているではないか・・・ちょっと古い本であるが、有意義なアイデアが見えるかも♪ 【人間の未来 AIの未来】 山中伸弥×羽生善治著、講談社、2018年刊 <「BOOK」データベース>より 人工知能、進化するロボット、iPS細胞による最先端医療ー私たちの暮らしはどう変わっていくのか?ノーベル賞科学者と史上最強棋士が「10年後、100年後の世界」を予言する。 <読む前の大使寸評> おお 山中伸弥先生の対談が出ているではないか・・・ちょっと古い本であるが、有意義なアイデアが見えるかも♪ rakuten人間の未来 AIの未来 どこから読んでもいいのだが、「第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?」から見てみましょう。 p180~185 <フルマラソンで研究資金を集める> 山中:僕たちのCiRA(サイラ、京都大学iPS細胞研究所)には、若手研修者の挑戦をサポートする組織を特別につくっています。「未来生命科学開拓部門」というすごい名前がついていますが、まさに「失敗してもいいから挑戦して未来を開拓してほしい」という願いを込めています。iPS細胞技術を活用して、がんや感染症の発症メカニズムや免疫機構を解明するような、新しい生命科学・医療の分野を開拓する研究を目指しています。  その財源はどのようにして確保するかと言うと、「iPS細胞研究基金」をつくって、僕がマラソンを走ったりして寄付を集めて賄うことにしています。 羽生:ファンドレイジング(寄付募集)マラソンですね。山中先生は毎年何回かフルマラソンに出場して、オンラインで寄付を集められていますよね。 山中:はい。半分はスポーツとしてやっていますが、もう半分は寄付活動なんです。国からの助成金は大学に交付される運営費交付金のほか、さまざまなプロジェクトの競争的資金で、数年ごとにしっかりとした成果を出さないといただけませんから。 羽生:要するに、使途というか目的が決まっているので、新規のものには使いにくいということですか。 山中:いや、そういう挑戦的なことにも使っていいんです。でも三年、五年の助成期間が終わった後に、再度いただけるかと言うと、やっぱり目に見える成果がないと、なかなか続かない現実があります。  その点、アメリカは国に加えて州政府からも助成があります。それ以外に寄付がすごく多くて、民間企業、特にIT関係者が巨額の資金を研究者に拠出していますね。基礎研究もかなりサポートされています。  国からの資金は税金が原資なので、大規模災害の発生や政治的な判断によってその額が上下する可能性もあります。国からの資金だけに頼らないのは、研究費を調達する上でのリスク分散の側面があります。 羽生:国だけに頼らず、民間のサポートを原資にしていく。 山中:研究とは、もともとはそうだったと思うんです。昔は大金持ちが、芸術家のパトロンのように研究者をサポートして、自由な研究をさえてあげる。その結果として、さまざまな成果が出てきた。  だから、原点に帰ると言ったら変ですかれども、日本でも国の税金からだけでやりくりするのではなく、一般の方からの寄付で基礎研究を進める部分を今まで以上に増やしていかないといけないと思いますね。 (中略) <「寄付先進国」アメリカに学べ> 羽生:大口の寄付をする人で、アメリカと日本とでは気質が違うと聞いたことがあります。アメリカの方だと自分の名前を出すけれども、日本の場合だと匿名にしてほしいという希望が多い、と。 山中:そういう方が多いですね。 羽生:その辺りの文化の違いをうまく取り入れて、参考にしながら協力してもらえるような体制ができるといいですね。 山中:アメリカには自分たちで財団を作って、何十億円、何百億円と寄付されているファミリーが本当にたくさんあるんです。それは日本では極めて例外的です。僕たちもたくさんの人の寄付で支えていただいていますが、日本は個人的な支援が多いですね。 羽生:最近はクラウドファンディングのような試みもなされています。 山中:僕たちもクラウドファンディングをやっています。マラソン大会に出て走っていると、まさに沿道で何十万人という方が見ておられますから。地道な努力がけっこう効きますね。アメリカでは研究機関の所長や医学部長は、仕事の半分くらいをファンドレイジングに費やしている印象を受けます。 羽生:仕事の半分ですか。 山中:そうしたファンドレイジングでどれくらい資金を集めてきたかが、彼らへの評価のかなりを占めますからね。だからアメリカでもそれぞれ努力しているんです。日本もやっぱり努力しないと、寄付は集まりません。 羽生:ただ、そういうファンドレイジングを扱う仕事というか、触手というか、専門家そのものの数が、日本医はかなり少ない印象を受けます。 山中:少ないですね。ただ僕たちのところでは研究所独自でファンドレイジングの部門を作っていて、数名がそれ専門にやってくれています。国立大学の研究所としては、極めてユニークなかたちです。 羽生:確かにそうでしょうね。 山中:さきほどのユニークな仕事をどう生み出すか、に関わってきます。このファンドレイジング部門も、別に僕たちが独自に考え付いたことでも何でもありません。アメリカでは普通にやっていることを日本ではやっていないので、それをやろうとしているだけです。だから決してすごい何かを思いついたわけではありません。その意味でも、アメリカを知ることは大切ですね。

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